韓国高裁が、対馬の盗難仏像巡る控訴審への日本の寺の補助参加受け入れへ
11月 24, 2021 19:55 Asia/Tokyo
長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像の引渡し問題をめぐり、韓国のテジョン(大田)高裁が、観音寺側が示した控訴審への補助参加の受け入れを決定しました。
韓国・ヨンハプ通信がテジョンから報じたところによりますと、同高裁は24日水曜、対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれた仏像「観世音菩薩坐像」(同県指定有形文化財)の所有権を主張する韓国の浮石寺(忠清南道瑞山市)が仏像を保管する韓国政府に引き渡しを求めた訴訟を巡り、「観音寺側が主張する占有権原(占有を法的に正当化する根拠)が何かを確認する必要がある」とし、「原告と被告側が異議を申し立てていないため、観音寺の参加を認める」と説明しました。
次回の公判は来年1月26日に予定されています。
2017年1月の一審判決では、仏像の中から見つかった記録などを根拠に「倭寇が正常でない方法で仏像を持ち出したとみるべきだ」として浮石寺側への引き渡しが命じられましたが、国に代わって訴訟を担当する検察側が控訴していました。
問題の仏像は現在、テジョン市の国立文化財研究所に保管されており、日本は外交ルートを通じて韓国政府に遺憾の意を表すとともに抗議し、仏像の返還を求めています。
浮石寺は、この仏像が1330年ごろに瑞州(瑞山の高麗時代の名称)にある寺に奉安するために作られたものだとする像内納入品の記録を基に、「数百年前に日本の倭寇に略奪された仏像を本来の所有者である同寺に引き渡すべきだ」と主張しています。
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