2021年の日本国内の刑法犯罪は戦後最少も、児童虐待やサイバー犯罪は過去最多
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裁判所
2021年に日本全国で起きた刑法犯罪は、その前の年より7%余り少ないおよそ56万8000件で、戦後最少となった一方、児童虐待やサイバー犯罪の検挙件数は過去最多を記録したことが判明しました。
NHKが3日木曜、警察庁の発表として報じたところによりますと、2021年に日本全国で起きた刑法犯罪は56万8148件と、その前の年より4万6000件余り、率にして7.5%減り、戦後最少となりました。
刑法犯罪は2002年の285万件をピークに19年連続で減少しており、特にひったくりや路上強盗などの街頭犯罪の減少が目立っています。
これについて、警察庁は新型コロナウイルスの影響で外出を自粛する人が増えたことなどが背景にあるのではないかとしています。
一方、児童虐待の疑いがあるとして警察が児童相談所に通告した18歳未満の子どもは全国で10万8050人、虐待事件の検挙件数は2170件と、いずれも過去最多となりました。
また、サイバー犯罪の検挙件数も1万2275件と、一昨年24%余り増え、過去最多となっています。
警察庁は、犯罪情勢は依然として厳しい状況にあるとしたうえで「関係機関と情報を共有して緊密な連携を図り、被害を未然に防ぐなどのきめ細かな対策を進めていきたい」としています。
なお、警察庁は去年11月、インターネット上で15歳以上の男女合わせて5000人を対象に治安に関するアンケート調査を行い、その結果についても3日公表しました。
それによりますと、「日本の治安はよいと思うか」という質問に対しては、75.8%が「そう思う」「まあそう思う」と回答しました。一方、「この10年で日本の治安がよくなったか」という質問については「悪くなった」「どちらかといえば悪くなった」と答えた人が64.1%に上ったということです。
その理由として思い浮かぶ犯罪を複数回答で尋ねたところ、「無差別殺傷事件」が79.1%と最も多く、次いで「オレオレ詐欺などの詐欺」が69%、「児童虐待」が61.1%、「サイバー犯罪」が57.1%、などとなっていました。
今回の調査結果について警察庁は、去年東京で走行中の電車内で乗客が切りつけられる事件が相次いだことなどが影響したのではないかとしていて、今後、取締りの強化などを通じて不安の解消に努めたいとしています。