駐沖縄米海兵隊が、空母とともに離島防衛演習
沖縄のアメリカ海兵隊が今週、離島防衛を目的にした演習を今回初めて、原子力空母とともに行っています。
NHKによりますと、この演習は、中国の活発な海洋進出を念頭に、沖縄周辺の島しょ部の防衛を強化するねらいがあるものとみられます。
沖縄のアメリカ海兵隊、第3海兵遠征軍の海兵隊員7500人は、今月13日から18日まで離島への展開などを目的にした演習を行っていて、今回は初めて原子力空母「エイブラハム・リンカーン」が参加しています。アメリカ海兵隊によりますと、演習では離島に部隊を迅速に展開して防衛したり、敵から島を奪い返したりする訓練を北部訓練場などで行ったということです。
海兵隊が公開した動画では、普天間基地を離陸したオスプレイがキャンプシュワブの訓練場に着陸し、海兵隊員たちが足早に降りていく様子が見られました。
一方、こうした部隊を上空から援護するという想定で、空母に搭載された戦闘機に加え、海兵隊や空軍、さらに航空自衛隊の戦闘機も参加して合同で訓練を行ったということです。訓練には海兵隊のF35B戦闘機も参加していて、17日も嘉手納基地では発着を繰り返す様子が見られました。
今回の演習は、海兵隊が、「機動展開前進基地作戦(EABO)」と呼ぶ、対艦ミサイルなどを装備した小規模の部隊を島しょ部に展開して、攻撃拠点を確保するという構想に基づいたものです。海兵隊は演習の目的について「島しょ部を脅かす危機に対応するため、部隊を迅速に展開する能力を試す」としていて、中国の活発な海洋進出を念頭に、沖縄周辺の島しょ部の防衛を強化するねらいがあるものとみられます。
一方、中国の情報収集機が15日と16日、本島南東の太平洋を飛行していて、沖縄周辺で行われているアメリカ軍の活動の情報収集にあたっている可能性があります。