沖縄・北谷で米軍ヘリが、漁船近くに物体落下させ海面近くまで下降
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沖縄・北谷で米軍ヘリ
米軍嘉手納基地所属のHH60救難ヘリコプターが、先月30日午後9時ごろから、沖縄県北谷町沖で捜索救助訓練していたことが分かりました。
沖縄タイムスによりますと、現場から約500メートルの距離ではえ縄漁をしていた北谷町漁業協同組合員の新崎盛朗さんが、この訓練を一部撮影しました。
同基地は取材に、「当該区域で安全に実施できると判断された後に実施した」としていますが、町や漁業関係者などに事前連絡はなく、提供水域外の可能性があり、渡久地政志町長は「町民が危険にさらされたのは明らか。一歩間違えれば大惨事だ」と反発しました。
新崎さんによると、米軍ヘリ1機が海域上空を旋回し、ゆっくり下降した後、海面から高度約50メートル付近で緑色に点滅する物体が落下しました。ヘリはさらに、海面から約5メートルほどまで高度を下げました。
新崎さんが、落下物を確認しようと船でヘリの約100~150メートルに接近すると、米軍のボートが間に入ってきました。大声で「何しているのか」と聞くと「ピックアップ」という単語が聞こえ、制止されているように感じた新崎さんは、少し離れて観察したということです。その後、撮影した動画を確認すると、海面に人のような影も確認できました。
目撃情報によれば、現場は嘉手納基地西側の提供水域近くでした。提供水域内であっても漁業は制限されておらず、新崎さんは「安全確認しているというが、信じられない」と不安を募らせました。
沖縄では3月にも、厚木基地所属の海軍ヘリが訓練区域外の名護湾でつり下げ訓練し、県が提供区域外で訓練しないよう求めていました。訓練場所に近い嘉手納町の當山宏町長は「提供水域外であれば容認できない。区域外訓練が常態化してはいけない」と懸念を示しました。
外務省はこの件に関して「事実関係を確認中」とし、県も訓練場所などの情報を収集しています。