4月 30, 2022 21:32 Asia/Tokyo
  • 北海道・知床沖で観光船が沈没した事故
    北海道・知床沖で観光船が沈没した事故

北海道・知床沖で観光船が沈没した事故で、事故の3日前に行われた国による検査の際、陸上との通信設備として携帯電話を申請し、検査を通過していたことがわかりました。

NHKによりますと、事故の3日前の今月20日、国土交通省管轄の日本小型船舶検査機構が事故船の法定検査を実施しました。国土交通省は、この検査で異常は確認されなかったと説明しています。

国による船舶検査では、船内に運航会社との通信設備を搭載することが義務付けられています。

NHKの取材で、事故を起こした会社側が、今回の検査にあたり、通信設備としてこれまでの衛星電話から携帯電話に変更して申請し、検査を通過していたことが明らかになりました。

検査の基準では、携帯電話の使用は航路で通信が可能な場合に限り認められています。今回、検査の担当者が確実に携帯電話がつながるか確認したところ、船長は「つながる」と答えたため、検査を通過させたということです。

しかし、海上保安庁によると、申請があった携帯電話のキャリアでは現場海域では電波が届かない場所もあったほか、事故船と海上保安庁の通話は一度しかできていない、船の無線は他の運航会社としかやり取りできない、衛星電話もつながらなかったなど、数多くの問題が指摘されています。

海上の通信に詳しい神戸大学大学院の若林伸和教授は、「会社側の申請も疑問だが、チェック機能が働かない国の検査にも問題がある」と指摘しています。

 


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