日本の庶民の食文化の代表・そばにインフレの圧力じわり
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日本の食文化を代表する、しかも安さが取りえのそばが、「対ロシア」、「円安」という要因により、一段のコスト上昇圧力を受け、もはや気軽に食べられるものではなくなってしまう可能性が浮上しています。
(last modified 2025-10-27T05:05:03+00:00 )
May 02, 2022 15:34 Asia/Tokyo

日本の食文化を代表する、しかも安さが取りえのそばが、「対ロシア」、「円安」という要因により、一段のコスト上昇圧力を受け、もはや気軽に食べられるものではなくなってしまう可能性が浮上しています。

東京都港区にある高本製麺所の店主・石原隆さん(55)は、この店を17年前に引き継いで以来、前代未聞のコスト高に直面し、「10円、20円単位で日々勝負しているだけに、様々なものが同時に値上がりする中で、非常に重い負担増」、「10%から15%ぐらいは上げる品物が出てきそうだ」と頭を痛めています。

そばの主原料であるソバの実は、国内消費量の6割程度が国産より安い輸入品が占めていますが、輸入品の価格はここ5年で60%超も上昇しました。

日本蕎麦協会によりますと、19年まで最大の輸入相手国だった中国で、より収益性の高いとうもろこしなどへ転作する動きが活発化したことが背景にあるとされています。

さらに追い討ちをかけたのが、ロシアによるウクライナでの特殊軍事作戦です。ウクライナ危機により供給不足懸念で先物価格が急伸し、14年ぶりの高値をつけるなど追加値上げへの懸念が高まっています。

ロシアではソバの実を茹でて食べる習慣があり、生産量では世界一とされています。そこへ中国でのソバの実の減産という事態が重なり、19年時点で3位だったロシアが台頭し、今年に入ってからは輸入相手国の首位に躍り出ました。

しかも、そばのコストを圧迫しているのは麺だけにとどまらず、つゆからトッピングまで、あらゆるものの材料が値上がりしていることにあります。

そば粉と混ぜたり、揚げ物に用いる小麦粉は、9割を海外に依存し、日本政府は主に米国やカナダ、豪などから国家貿易としてまとめて輸入しています。

しかし、昨夏の荒天で米国とカナダ産が不作、さらに価格高騰で国内分が手当てできなくなったロシアが一時的に輸出を規制したため、小麦粉の価格が昨年10月以来17%上昇しました。

製粉大手の日穀製粉(長野市)の担当者は「経済制裁による決済の停止や物流の混乱で入荷に遅延が発生している」としており、円安環境下、この状態が長引けば品薄による一段の価格上昇は避けられないと見られています。

こうした事態にも、安さと味に引かれて高本製麺所に通う顧客の1人で、タクシー運転手の山崎智子(52)さんは、「給料が上がっていないのに、食料品が上がっているというのは、やはり家庭には痛い」、「今まで海外に頼っていた部分があるので、それを高く仕入れなければいけなくなり、お店側は値上げしないと運営できない。仕方ないことだなと思っている」とコメントしています。

また、20代の会社員男性は、「どれくらいここに頻繁に来れるかにもよるが、500円くらいの値段に納まってくれれば」と率直な感想を語りました。

ほかにも、コスト高要因としてバイオ燃料需要の増加、中国の旺盛な需要、ラニーニャ現象、カナダの高温乾燥、インドネシアの規制ばどが複雑に絡み合い、容易に鎮静化しそうにない気配です。

このような中、安価で食べられる日本の庶民の味の代表・そばの価格が今後どうなっていくのか、情勢を注視しながら見守っていく必要がありそうです。

 


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