米国で5歳児の逮捕を受け抗議活動が激化/トランプ大統領;「アレックス・プレッティは反逆者」
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米国テキサス州の移民収容センター前での抗議活動
米国テキサス州の移民収容センター前で行われた抗議活動が、警察の介入により暴徒化しました。この集会の実施は、5歳児の拘留とドナルド・トランプ米現政権による移民政策の厳格化に抗議してのものです。
テキサス州警察は今月28日、同州デイリー市の米国移民収容センターの外に集まった約100人の抗議者に催涙ガスとペッパースプレーを噴射し、解散させました。フランス24チャンネルTVによりますと、これらの抗議者らはトランプ政権による移民取り締まりで拘束された南米エクアドル出身の少年リアム・コネホ・ラモスくん(5)の釈放を要求していました。映像には、暴動鎮圧装備を身に着けたテキサス州警察が群衆に向かって移動し、催涙ガス弾の1つがフランス通信記者2名の近くに着弾し、1名が負傷する様子が映っています。
米ミネソタ州ミネアポリスで、通園カバンを背負い怯えた未就学児が、少年の父親を逮捕しようとしていたICE移民税関捜査局の職員に逮捕される映像が公開された後、抗議活動は激化しました。
抗議者らはプラカードを掲げ、移民コミュニティを恐怖に陥れているとして連邦捜査官を非難しました。地元当局者の1人、クリスティーナ・モラレス氏は、クリスティ・ノーム国土安全保障長官の弾劾、ICE移民関税執行局への予算削減、そして中間選挙への注目を訴えました。この集会は、トランプ政権の移民政策に対する広範な抗議運動の一環であり、欧州メディアの報道によれば、この政策は国民の怒りをかき立て、「犯罪者」を標的にするという政権の言説と、長年米国に居住している人々を拘束するという現実との矛盾を露呈させた形となっています。
先般、ミネアポリスで連邦職員がアレックス・プレッティ氏(37)を射殺した事件は、緊張を高めました。収録映像には、プレッティ氏が地面に倒れているところを警察官が射殺する様子が映っています。この事件は、与党・共和党、野党・民主党、そして欧州諸国から大々的に非難されました。プレッティ氏の死のわずか3週間前には、3児の母であるレニー・グッド氏(37)が同様の状況で殺害されてており、この2つの事件は移民強制送還キャンペーンの一環として連邦職員による暴力が増加しているのではないかという懸念を高めています。
トランプ大統領、プレッティ氏を「暴徒」として非難
アレックス・プレッティ氏の殺害を受け、ドナルド・トランプ米大統領は同氏を「暴徒、おそらくは反逆者」だとし、プレッティ氏が死亡する11日前に連邦捜査官と争っているとされる動画があることを指摘しました。しかし、この発言は火に油を注ぐ結果となり、連邦捜査官の行動と政権の移民政策の影響をめぐる議論を白熱化させています。
欧州、米国における暴力の増加を警告
一方、ドイツ国際放送ドイチェ・ヴェレのサイトは、「一部の欧州メディアがトランプ大統領率いる米国が『警察国家』へと向かっていると警告している」と報じました。また、デンマークの新聞「ユランズ・ポステン」は、警察官が警察のマークのない車両に乗って市民を追跡し銃撃しているという、独裁政権で見られるような事件について報じています。同紙は「今まさにこのような事件が米国で発生しており、これは同国の民主主義に対する深刻な脅威である」と強調しました。
一方、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相は、米国における暴力の蔓延を「憂慮すべき事態」だとし、「米国当局が銃撃事件について真摯な捜査を行うよう希望する」と述べました。また、CDUドイツキリスト教民主・同盟議員団長のイェンス・シュパーン氏もICE米国移民関税執行局の対応を批判し、移民政策の実施における法の支配の原則を堅持する必要性を強調しています。一方、ドイツの非営利団体HBSハインリヒ・ベル財団は、IDC国際拘禁連盟のカロリーナ・ゴッタルド(Carolina Gottardo )執行部長へのインタビューで「第1次トランプ政権発足以来、移民を犯罪化する世界的な傾向が強まっている」と報告しています。複数の国で人権・移民問題に携わってきたゴッタルド氏は、この傾向を憂慮すべき事態だと述べました。

