作家の早乙女勝元さんが死去、享年90歳
May 11, 2022 14:38 Asia/Tokyo
1945年3月の東京大空襲を経験し、戦争の悲惨さと平和の大切さを伝え続けた作家の早乙女勝元さんが10日火曜、老衰のため、埼玉県内の病院で亡くなりました。 90歳でした。
日本の報道各社によりますと、早乙女さんは東京都の出身で、12歳のとき、1945年3月10日未明の東京大空襲を経験し、下町が火の海に包まれる中、多数の人々の死を目の当たりにしました。
終戦後は、町工場で働きながら文学の道を志し、18歳のときに書いた「下町の故郷」が直木賞の候補になりました。
1956年に小説「ハモニカ工場」で作家として独立し、1970年には「東京空襲を記録する会」を結成して、「東京大空襲・戦災誌」の編集に携わるとともに、「東京大空襲」や「東京が燃えた日」などの作品を通じて、戦争の悲惨さと平和の大切さを伝えました。
また、戦争の記憶を語り継ぐために、「東京大空襲・戦災資料センター」の開設に力を尽くして初代館長に就任したほか、全国の空襲被害者や遺族で作る「全国空襲被害者連絡協議会」の共同代表も務めました。
親族によりますと、早乙女さんは今年1月から入院していたということです。