「核兵器の人道的影響に関する会議」で長崎の被爆者も証言、ウィーンで
(last modified Mon, 20 Jun 2022 10:28:34 GMT )
6月 20, 2022 19:28 Asia/Tokyo
  • ウィーンでの核兵器の人道的影響に関する会議
    ウィーンでの核兵器の人道的影響に関する会議

オーストリア・ウィーンで、各国の政府代表やNGOなどが、核兵器がもたらす人道的な影響について議論する会議が始まりました。

NHKによりますと、ウィーンでは今月21日から、核兵器を国際法として初めて全面的に禁じた核兵器禁止条約の第1回締約国会議が開催されるのを前に20日月曜、各国の政府代表やNGOなどが参加して「核兵器の人道的影響に関する会議」が始まりました。

会議では、5歳の時に長崎で被爆した日本被団協・日本原水爆被害者団体協議会の事務局長木戸季市さんが自身の体験を証言し「私たちは核兵器をなくすこと、戦争をなくすことを求めて参りました。この願いが核兵器禁止条約の成立につながりました。条約は被爆者の願いそのものです」と挨拶しました。

ウクライナ情勢を受け核兵器の脅威が高まる中、会議を主催するオーストリア政府としては、核の非人道性への国際社会の関心を喚起することで核兵器の使用や開発に歯止めをかけるとともに、禁止条約の意義を改めて訴えるねらいがあるものと見られます。

核兵器がもたらす人類や環境への影響に焦点を当てるこの会議は、これまでノルウェーやメキシコ、オーストリアで開かれ、核兵器禁止条約の実現を後押しする議論が行われてきた経緯があります。

なお、今回の会議に日本が出席しないことについて、広島の被爆者団体などが集会を開催し、日本政府の姿勢を非難しています。

さらに、ICAN核兵器廃絶国際キャンペーンのベアトリス・フィン事務局長も、核軍縮を巡り対立する核保有国と非保有国をつなぐ「橋渡し役の資格はない」と批判しました。

 


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