8月 19, 2023 17:02 Asia/Tokyo
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近頃活動を激化させているテロ組織ISISは、この数週間にシリアとイランで立て続けにテロ攻撃を行いましたが、そこからは、ISISを復活させようとするアメリカの意向が見て取れます。

AP通信はある記事の中で、国連専門家グループが安全保障理事会に提出した報告において、今年上半期にISISの脅威がイラクとシリアの一部紛争地域で増大したとしていたと報じ、「ISISは、全般として見れば依然として活動を行っている。大きな打撃を受けてシリアイラクでの活動範囲は縮小したものの、ISISが復活する危険性は未だに存在している」と指摘しました。

これに関連して、レバノンのシーア派組織・ヒズボッラーのナスロッラー事務局長は先日、「米国はISISを再び活動させることを決めた」と述べましたが、一体アメリカはどんな理由で、またどのようにして、ISISを復活させようとしているのでしょうか?

ISISの一部分子、特にシリア国内に潜伏する分子はその大半が、アメリカが支配下に置く軍事拠点にいます。シリア北東部ハサカ県のアルホル・キャンプは、ISISのテロリストを抱える主な軍事拠点の1つで、これまでにも多くの現地情報筋が、米軍によりそれらのテロリストが収容所からこのキャンプに連れてこられたと伝えています。

またシリア治安当局者らも繰り返し、アメリカはシリアでISIS分子にテロ攻撃を行わせようと、彼らに訓練を施して武器を与えており、それが米軍のシリア駐留継続の理由になっていると指摘しています。シリア国民から撤退を迫られているアメリカですが、実のところ彼らは、シリアにおけるISISの犯罪継続を自国の利益に沿ったものだと考えているのです。

シリア人作家のハイヤーム・ゾアビー氏は、アラビア語ニュースサイト「ライ・アルヨウム」に寄せたコラムにおいて、アメリカが見せている動きの目的と再度のISIS利用という選択肢を選んだことについて、「シリア政府の支配がおよばない同国北部および東部で起きている事件は、間違いなく米国工作員の利益となっている。米政府はシリアでの情勢不安を望んでおり、テロリストや分離主義者らを支援することでそれを実現しようと目論んでいる」と説明しています。

アメリカが特にシリアでISISを復活させようと目論むのは、同国を不安定で弱体化したままに保つことに加え、イランやロシアに圧力をかけるという別の目的もあります。また彼らは、イラン、イラク、シリアの間の連携確立の阻止も企んでいます。この点については、アメリカのジェームズ・ジェフリー元シリア担当特別代表も、米軍はシリアから撤退しないと述べ、「我々は、シリアとイランを結ぶ主要経路を遮断するために、シリア南部のアルタンフにいる。アサド体制に圧力をかけようという動きは、トランプ政権時代にもあった」と認めています。

 


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