May 13, 2024 14:31 Asia/Tokyo
  • 仏の次は米の番、アフリカでの覇権主義国の凋落
    仏の次は米の番、アフリカでの覇権主義国の凋落

米国防総省が、西アフリカ・ニジェールからの米軍撤退の受諾を余儀なくされました。

米政治専門紙ポリティコは先週、匿名の米当局者の話として、ニジェール残留という米軍のわずかな希望が打ち砕かれ、米国防総省がニジェールからの米兵1000人全員の撤退を命令したと報じました。

米国は今年4月、ニジェールからの「秩序だった責任ある撤退」の計画を開始すると発表していましたが、米国当局者らは米軍の一部を残留させるようニジェールの軍事統治者と交渉を続けています。

ニジェールは2023年の政変までは、アフリカのサハラ砂漠南部・サヘル地域における米の軍事作戦で中心的な位置づけとされ、自国内への大規模なアメリカ空軍基地の設置に同意していました。

しかし、昨年のクーデターで発足した新政権は、米仏をはじめとした西側植民地主義諸国との軍事関係の打ち切りを発表しました。この措置は、ニジェール国民に支持されています。

さらに、ニジェールの隣国チャドも米軍撤退を求める動きに加わりました。現在、チャドには約100人の米兵が駐留しています。

これに先立ち、フランス軍がニジェール、マリ、ブルキナファソからの撤退に追い込まれていました。

こうした中、ナイジェリア北部指導者組織のジャブリン・エブラヒム報道官は、国際通信イランプレスの独占インタビューで、ナイジェリア国内への軍事基地設置を目的とした自国政府の対米仏交渉に懸念を表明し、「過去に米仏軍が駐留していたニジェール、ブルキナファソ、マリでは、外国の軍事基地とその計画の監視が許されておらず、このような経験の二の舞はナイジェリアの統治にとって深刻な問題となる」と語りました。

ナイジェリア大統領が同国への米仏軍の駐留についてこれらの国と交渉している一方で、ニジェール、マリ、ブルキナファソの国民は団結やデモ、新政権への支持により、自国からの外国軍追放に成功しました。

チャドやニジェール、さらにはその前のマリやブルキナファソなどの国々からの西側植民地主義国の軍の撤退要請は、アフリカにおけるアメリカとその同盟国の影響力の低下を意味するだけでなく、アフリカにおける重大な地政学的関係の著しい変化の兆しでもあります。実際、アフリカとサヘル地域における米国とその同盟国の軍事的存在感の低下は、西側諸国政府の外交政策に多くの問題をもたらす可能性があり、その結果は米国政府とその同盟国にとって1つの地政学的失敗となると見られます。

 

 


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