イエメンで、アラブ連合軍の侵略により17万人の患者が命の危機に
(last modified Sun, 13 Nov 2022 08:51:48 GMT )
11月 13, 2022 17:51 Asia/Tokyo

サウジアラビアとアメリカが主導するアラブ連合によるイエメン封鎖の継続は、命に関わるような医薬品の搬入も阻んでおり、イエメン国家医薬品供給プログラムは、国内で約17万人の患者の命が危険にさらされていると発表しました。

サウジアラビアは、アメリカ、アラブ首長国連邦、および他のいくつかの国の支援を受けて、2015年3月よりイエメンへの軍事侵攻を開始し、同国を完全に封鎖しました。

アラブ連合軍は、イエメンから数百万バレルの石油を盗み出しているだけでなく、同国へ燃料を運ぶ船舶の拿捕や入港阻止により、戦争で荒廃したこのアラブ圏最貧国に、石油製品、燃料、医薬品などの不足の危機を引き起こしています。

イエメンのアルマスィーラ・テレビによりますと、国家医薬品供給プログラムは声明で、「米国とサウジアラビアによるわが国への攻撃と封鎖の継続で、国内にいる約17万人の重篤な患者が必要とする救援や医薬品の供給が脅かされている」と発表しました。

続けて、侵略者たるサウジ主導アラブ連合に対し、サヌア空港に無条件で再開許可を出し、イエメンへの医薬品の搬入を妨げないよう求めました。さらに国際社会や関連機関に対しては、イエメン国内の患者の生命にかかわる医薬品の提供を求めました。

国家医薬品供給プログラムの主任は、「イエメンの封鎖が強化されて港湾や空港が閉鎖されたために、我々は医薬品を提供することができない」と述べています。

国際赤十字委員会もこれに先立ち、「イエメンでは、戦争が8年間続いている結果、保健医療施設の半分以上が閉鎖されている。そのため、糖尿病患者のインスリン投与問題はより差し迫ったものとなり、彼らは生死の瀬戸際に立たされている」と報告していました。

一方、イエメンのシーア派組織アンサーロッラーの支援を受けている救国政府保健省は今年3月16日、アラブ連合の侵略開始以降に国内の糖尿病患者が増加し、その人数が約100万人に達していることを明らかにしています。

さらに指摘されるのは、イエメンでの数年間におよぶ戦争は貧しい同国の保健医療部門に影を落としており、その医療施設が医薬品、医療用品、専門スタッフの深刻な不足に見舞われている点です。

国連の報告によれば、イエメンではこの戦争のために2021年末までに37万7000人が死亡しており、約1360億ドルの経済的損失を受けたほか、人口の80%が現在人道支援を必要としているということです。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     urmediem