イエメン・シーア派組織が、アラブ連合軍に対し異例の軍事脅迫
イエメンのシーア派組織アンサーロッラーが、サウジアラビア主導アラブ連合軍に対し、今後も国境検問所に対する制限措置や軍事作戦を続ける場合、過去になかった電撃的な先制軍事攻撃をすると脅迫しました。
イエメン救国政府・政治局メンバーのアリー・アルガフーム氏はツイッターで、「アラブ連合軍は、イエメン国民が外国勢力の監視なしに問題解決できるよう、イエメン国民の正当な権利を擁護しなければならない。そうでなければ、イエメン政府はアラブ連合軍に対する軍事作戦を再開するだろう」と表明しました。
また、「アラブ連合軍によるイエメンへの侵略と包囲が続けば、新年はこれまでのどの年とも違ったものになるだろう」としました。
さらに、アラブ連合軍をイエメン和平実現の機会喪失や無駄な拘泥で非難するとともに、「アラブ連合軍は、欺瞞や空約束、二重基準の踏襲、機会の浪費、今後の選択を狭めるという行動を止めるべきだ」と語りました。
サウジアラビア、アメリカ、アラブ首長国連邦、および他の複数の国から成るアラブ連合は、2015年3月よりイエメンへの軍事侵攻を開始し、同国を完全に封鎖しました。
アラブ連合軍は、イエメンから数百万バレルの石油を盗み出しているだけでなく、同国へ燃料を運ぶ船舶の拿捕や入港妨害により、戦争で荒廃したこのアラブ圏最貧国に、石油製品、燃料、医薬品などの不足の危機を引き起こしています。
イエメン国民は、アラブ連合軍が勃発させた戦争により、世界最悪規模の人道危機に見舞われています。
国連によれば、イエメン総人口3000万人の約4分の3にあたる2300万人以上、うち子供1200万人以上が8年目になろうとするイエメン戦争により人道支援を必要としています。
さらに同国では、200万人以上の子どもたちが栄養失調となっています。また、900万人の子どもを含む1700万人以上が、上水道、衛生、医療などが行き届いていないことにより苦しんでいます。