イラク・中国が、互いの通貨での通商取引へ
中国とイラクが、両国の間の商取引を互いの通貨で行うとしています。
アブドルマハディ元首相が率いていた当時のイラク政権が中国と交わした20ヵ年合意に基づき、中国へ輸出されるイラク産石油の一部は、中国通貨の元で支払われることになっています。この合意は、中国とイラクの双方にとって重要なものですが、それと同時に、中国のライバル諸国にとっても非常に重要だと言えます。
このため、アメリカを筆頭とする中国のライバル諸国は、この合意の実施阻止のためにさまざまな策を練ってきました。2019年10月にイラクで抗議行動が起こりアブドルマハディ政権が倒れたのも、この合意が理由の1つになたっとされています。
イラクのニュースサイト「Akhbar al-Iraq」 によりますと、中国当局者らは、イラク中央銀行が中国との間で米ドルではなく元で取引を行うことに合意したとしています。これには、両国の貿易の90%を占める石油代金の支払いも含まれることになります。
同当局者らはさらに、自国の通貨に基づく取引がイラクの通貨・ディナールの状況を改善させると強調しています。また専門家らも、これが元のグローバル化および米ドルの代替としての元使用に向けたの第一歩であるとしています。
一方、イラクに駐留する崔巍(ツゥェイ・ウェイ)中国大使は先日、自国がイラクを再建および経済強化の分野で支援し続けると強調し、「来年は、両国首脳会談の成果の実施が始まり、イラクとの協力により新たな成果が得られる年である」と述べました。
崔大使はまた、イラクと中国の関係が平和的な発展を見せており、2015年に両国間で戦略的パートナーシップ関係が確立されて以来、あらゆる分野においてその協力はバランスの良い進歩を遂げているとしながら、「中国側はイラクの主権、独立、領土保全を断固として支持するほか、イラクのさまざまな政党間の連帯と協力を強化を支援し続ける」としました。