シリア政府が米の石油資源略奪を報告
シリア政府の公式報告書によれば、米軍と同国の支援する武装勢力は2022年上半期、日量約6万6000バレルのシリア石油を略奪していました。
トランプ前米大統領がシリア北部からの米軍撤退を約束していたにもかかわらず、同国の油田を確保しようと、未だに多数の米軍兵がシリア・トルコの国境に残留しています。
イルナー通信によりますと、2022年上半期のシリア石油の日量平均生産量は約8万300バレルでしたが、その82%にあたる日量約6万6000バレルが、米軍により窃取されています。
シリア政府の公式統計によれば、このような米軍の密輸出により、2011年から昨年前半までの間に1000億ドル以上の損害がシリアにもたらされています。
米軍は、自分たちの石油略奪現場の撮影を阻止しようと民間人を逮捕しているほか、このニュースの拡散を阻止しようと通信ネットワークも遮断しています。
シリア北東部ハサカ州の独立メディア記者によれば、民間人らが違法な国境ルートを米軍の石油輸送車列をカメラや携帯電話で撮影しようとしたものの、米軍はこれらの人々を逮捕したうえ、数人を殺害したということです。
この記者は、現地の人々は米軍とシリア反政府勢力の深刻な圧力と脅迫を受けており、メディアに対してアメリカの石油略奪を証言することを非常に恐れていると強調しています。
アメリカがシリアに対して行っている、石油・穀物略奪、経済制裁、インフラ破壊などの行為には、シリア政府に圧力をかけ、最終的にシリア国民によるアサド大統領率いる現政府への反乱や混乱・テロの拡大につなげようとする意図があります。
アメリカのこのような行為は、シリア国民の深い憎悪を掻き立てているだけでなく、国際法や国連憲章への違反ともみなされています。