中国がガザ情勢悪化に懸念、安保理は停戦延長を支持
今期の国連安保理議長を務める中国の王毅外相は、ガザ情勢について戦争が再び始まれば悲劇を招くと述べました。
イルナー通信によりますと、国連安保理は29日に外相会合を開き、出席した各国外相の多くがガザでの停戦延長を求めました。
議長を務める中国の王毅外相は、イスラエルとパレスチナの戦争が前例のない人道的悲劇につながっているとし、「我々の意志が試されている。世界は全面的かつ恒久的な停戦確立にむけ歩みを踏み出さなければならない」と述べました。
そして、「もっと真剣に民間人を保護しなければならない」とし、「人道支援団体が支障なく活動にあたれるよう条件を整えるべきだ」としました。
ロシアのネベンジャ国連大使も「安保理はガザで続く破壊や虐殺に対応できていない。西側諸国はパレスチナ人を2級市民として扱っている」と述べました。
ネベンジャ氏はまた、ガザとウクライナを比較して「我々が軍事作戦を開始してから2年近く経つが、キエフではナイトクラブが営業している。しかし、ガザの娯楽施設はどうか? こうした質問をするのも嫌になる。ガザ市民には休む場所さえないからだ」と述べました。
トルコのフィデン外相は、世界中で数百万人の市民がパレスチナ国民への連帯を表明しているとし、「パレスチナ人を絶望させることは、世界中で混乱を招く」と述べました。その上で、イスラエルによるガザ攻撃を戦争犯罪としました。
エジプトのショクリー外相も、イスラエルによるガザでの破壊行為は前例がない規模だとし、ガザ市民のおよそ3分の2が難民と化したとしました。
これに対し、イスラエルを支持する米英の代表は、パレスチナ人の大量虐殺には言及せず、単に停戦の延長を求めるにとどまりました。