国連安保理がガザ関連決議案を採択 米は棄権
国連安全保障理事会が、パレスチナ・ガザへの支援拡大を求める決議案を採択しました。
ファールス通信によりますと、国連安全保障理事会は22日金曜、ガザへの支援拡大に向けた決議案を採択しました。13カ国が賛成票を投じ、反対した国はありませんでしたが、アメリカおよびロシアは採決を棄権しました。
ロイター通信によりますと、今回の決議案はUAEアラブ首長国連邦が起草したものですが、アメリカの拒否権行使を回避するために決議の文言は「敵対行為の停止に向けた環境づくり」を求めるという表現に弱められ、ロシアが「緊急かつ持続可能な敵対行為の停止」という当初の文章に戻すことを提案したものの、アメリカの拒否権行使により否決されたということです。
UAE国連大使は同案について、「ガザへの人道支援拡大と、ガザに搬入される支援物資の監視や調整などを行う国連調整官の任命が求められた。ガザでの紛争が地域に拡大する可能性は、現実的なものだ。また、ラファ国境の状況は見るに堪えないもので、ガザの人々の半数は、飢えで亡くなろうとしている」と説明しています。
今回の決議案は、各方面の対立で採決が4日連続で延期された末、22日午前にようやく目途が立ち採択に至りました。
アメリカ政府は、10月7日にシオニスト政権イスラエルがガザへの攻撃を開始して以降、同政権の行うガザでの軍事作戦を全面的に支持すると表明しています。
アメリカ政府は安保理でこれ以前に、ガザでの即時停戦を求める複数の決議案に拒否権を行使してきました。今月8日に行われた人道目的の即時停戦を求める決議案の採決でも、15カ国のうち13カ国が賛成したにもかかわらず、常任理事国のアメリカが拒否権を行使したために採択に至りませんでした。
アメリカのバイデン政権は、ガザ戦争が始まってからのこの数週間、同国の人権活動家や一部の民主党政治家らから、数千人の民間人を殺害するような作戦の停止に向けイスラエル政権へ圧力をかけるよう繰り返し要請を受けているにもかかわらず、「停戦はハマスにとって有利になる。戦闘の一時停止を支持する」とのみしてきました。
ガザ当局や国際機関関係者によれば、10月7日以降のイスラエル政権軍の攻撃により殉教したパレスチナ人犠牲者2万人の大半は子どもと女性で占められています。また、同政権の攻撃継続によりガザのインフラは大規模に破壊されて、これまでにない人道災害の発生へとつながっています。