ヒズボッラーはどのようにイスラエルによるパレスチナ人虐殺を抑止したか
(last modified Sun, 12 May 2024 10:38:34 GMT )
May 12, 2024 19:38 Asia/Tokyo
  • ヒズボッラーはどのようにイスラエルによるパレスチナ人虐殺を抑止したか
    ヒズボッラーはどのようにイスラエルによるパレスチナ人虐殺を抑止したか

ガザ戦争は7カ月以上が経過していますが、その当初から現在に至るまで重要なアクターとして活動しているのが、レバノンのシーア派組織・ヒズボッラーです。ヒズボッラーは、抵抗の枢軸の一員としてイスラエル占領地北部に対し様々な作戦を行い、イスラエル軍がガザに戦力を集中させるのを抑止しました。

イスラエル占領地北部では、ヒズボッラーに対処するために相当数のイスラエル軍部隊が展開しているのが目撃されており、このことがイスラエル軍がガザに全戦力を投入できない要因となっています。

イスラエル・メディアは、ヒズボッラーがこれまでに占領地北部に発射したミサイル・ロケット弾は4000発近くに上ると伝えています。このことは、現地の入植地に住んでいたシオニスト20万人以上が退去する結果となりました。

ヒズボッラーの存在は、イスラエルに政治的・社会的・経済的困難をもたらしています。

最近になってイスラエルは、レバノン南部への空爆を激化し、ヒズボッラー幹部の暗殺などを行っています。ヒズボッラーはこれに対する報復として、攻撃をイスラエル中心部にまで拡大しています。

イスラエルはヒズボッラーの攻撃を終わらせるためにあらゆる手段を尽くしていますが、成果は出ていません。

これについて、イスラエルのオルメルト元首相は次のように語っています。

 

「イスラエルは(占領地)北部で主導権を失った。イスラエル政府はヒズボッラーのほしいままにされている」

 

イスラエルとの緊張が高まっても、ヒズボッラーは兵器・戦術面において驚くべき成果を挙げています。このこと自体が、イスラエルの状況を困難なものにしています。

例えば、最近ヒズボッラーが占領地北部にあるイスラエル軍の拠点に向けて行った無人機による攻撃作戦では、イスラエル軍幹部20名以上が死傷しました。当時、この軍拠点では幹部らによる会議が行われており、ヒズボッラーの諜報能力にイスラエルの専門家らも驚きを隠せませんでした。

イスラエルにとって最も悩みの種となっているのが、ガザで7カ月以上戦争を続けても未だに当初の目標を達成していない上、ヒズボッラーとの戦闘においても入植者の安全を確保することができていないということです。

オルメルト元首相は先の発言に続いて、こうも言っています。

 

「この方程式は、軍事・諜報の観点からイスラエルにとって大きな敗北である」

 

その理由は、ヒズボッラーが保有するミサイルの総数が15万発以上にのぼるからです。ヒズボッラーは近年、装甲部隊や防空部隊も新設しています。こうした戦力が、イスラエルの勝利の望みを絶っています。

 

 

 


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