曖昧と先送りで殺人機械・イスラエルの時間稼ぎする西側政治家たち
多くのアナリストは、イラク戦争時のトニー・ブレア元イギリス首相のように、現在のような状況にありながら説明責任を果たしてこなかった西側指導者を追及しなければ、暴力は激化していく一方だと考えています。
【ParsToday国際】イギリス外務省の元顧問の一人は、ガザ戦争における同国の責任に関する調査の過程で、キャメロン前外相が在任中、イスラエル政権が国際人道法に違反しているとの勧告を受けたにもかかわらず、これに関して何の行動も起こさなかったと主張しました。
この人物は、「イギリス外務省は、イスラエル政権への武器輸出を止めなければイギリスが戦争犯罪に加担したされる可能性があるという勧告を受けていた」と述べました。キャメロン前外相は今年1月、法的勧告について尋ねられた際、どのような文書が渡されたか記憶にないと答えていました。同氏はまた、イスラエル政権が占領軍と認知されるかについて、疑義を示していました。
キャメロン前外相については、こうしたあいまいな回答や責任感のなさから、どのような情報を持っていて何を行い何を行わなかったかを調査すべき、とする声が高まっています。
ここから、次のような疑問が浮かび上がることになります。
「もしイギリスがイスラエル政権への武器輸出許可を適宜停止させていたら、何人の命が救われていたのか?」
イギリス外務省元顧問は、9月に取られた武器輸出停止は、何か月も前から警告や書類提出を経てようやく行われたものであり、あまりに遅かったものの、イスラエル政権との武器売買をめぐる他国の反応に大きな影響を与えうるとしました。
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イギリス外務省の発表した報告では、イスラエル政権が「捕虜の虐待」および人道援助物資の自由な送付を禁止しているという確かな証拠があるにもかかわらず、同省はこのような行動の告発に関して未だに最終的な判断を下せていないとされています。この一方、専門家をはじめとした多くの人々は、ガザでの人道的悲劇の画像や映像を日々新たに目にしており、キャメロン前外相の発言は受け入れるものではないと考えています。
これと同様に、アメリカ国務省報道官のマット・ミラー、ヴェダント・パテル両氏も、ガザでの犯罪については記者団に対し、あいまいな回答を繰り返しています。
彼らは、6歳の少女、ヒンド・ラジャブちゃんの殺害、パン屋での大量殺人、病院近くでの集団墓地発見、白旗を掲げた人々の銃撃といった、ガザで起きたすべての出来事に対し、「イスラエルは捜査している」という文句を繰り返し使ってきましたが、このような対応は明らかに、必要な国際的措置を遅らせたり世論のミスリードが目的でした。
一方、イスラエル政権には「占領地内でパレスチナ関連の処罰を受けることはない」という文化がはびこっており、これはパレスチナ人に対する急進的かつ脅迫的な言論の助長へとつながっています。同政権指導者らもこの数カ月、パレスチナ人の苦難を楽しむような発言から、メディアや人権団体に取り上げられています。
「二人の素敵なユダヤ青年(Two Nice Jewish Boys)」という、ノア・メニンガーおよびエイタン・ワインスタインのイスラエル人2人が運営するポッドキャストも、そのような例のひとつです。彼らは番組の中で、「あなた方がコンサートで踊っている中、ガザで数十万人が自宅を追われた状態だと考えると、良い気分になるのを抑えられない‥‥おかげで、コンサートがもっと楽しくなる」と発言し、大きな怒りを巻き起こしました。
このような発言は、ガザの完全破壊を謳う他の声明と同様に、戦争犯罪および大量虐殺の脅威への懸念が高まっていることを示すものです。この二人は発言の後、自分たちに大量虐殺を支持する意図はなかったと主張しましたが、世論調査や他のイスラエル当局者の発言からも、イスラエル社会ではこのような考え方が広く浸透していることが分かります。
イスラエル政権当局者の脅迫的発言は現在、南アフリカがICJ・国際刑事裁判所に同政権を訴えた際、それらを証拠として提出するまでになっています。また、同政権の世論調査では、ガザ戦争が始まった10月7日の攻撃を受けた大半の人々がパレスチナ人の完全な滅亡を望んでいるという結果も出ています。「二人の素敵なユダヤ青年」も、ガザ戦争が始まった10月7日以降に、「ガザにはなぜ未だ建物が残っているのだろう?」「ガザは地上から一掃されるべきだ。ハマスも、ガザも」という投稿を行っています。
多くのアナリストは、このような状況を鑑みて、イラク戦争時に同じような状況にありながら説明責任を果たしてこなかったブレア元首相などの西側指導者を追及しなければ、暴力が激化していく一方だと考えています。
ブレア元首相は先日も、2017年にロンドン西部で起きたグレンフェル・タワー火災をめぐり、「いかなるシステムでも避けることのできないミスだった」と述べましたが、このような発言は大半の人々にとり、戦争犯罪や人的災害に対する責任を投げ出し正当化する行為としか映らないでしょう。