シリア情勢:研究施設に対するイスラエルの攻撃/武装勢力によるイスラム預言者末裔霊廟への侵入
-
シリアとの境界地帯を視察するイスラエルのネタニヤフ首相とカッツ戦争相
去る11月27日のイスラエル・レバノン間の停戦宣言と同時に、シリアの武装勢力が一部の国の支援を受けて同国各地に対する大規模な攻撃を開始し、同国で重要な情勢変化が発生しました。7日土曜夜以来、そしてアサド・シリア大統領のダマスカス退去により、政変の激しさが倍増しています。
過去48時間で、西アジアの国の1つ・シリアで大きな政情変化が発生しています。
【随時更新】
- レバノン・アルマヤーディンTV記者のハリド・アスキフ氏が、シリア西部ラタキア市の市庁舎、県庁舎、司法省、警察署への略奪や放火の映像をX上に投稿し、「ラタキア港湾でも物品の窃盗が発生している。この地域は野放しの状態で、武器は十代の若者たちの手に渡っており、8日未明から銃撃が止まない。関心がある者なら誰でもよいので現場に割って入り、混沌状態を終結させてほしい」と訴えました。
-
メディア筋は、イスラエル軍がシリアの情報機関や税関の建物がある首都ダマスカスの安全区域を空爆したと報じました。これにより一帯では大規模な火災が発生しています。さらに、イスラエル各メディアは、同政権軍がダマスカスにあるシリア科学研究センターを攻撃したと報じ、イスラエル政権が今後数日以内にシリアに対する連続攻撃の準備を進めていると伝えています。
-
ネタニヤフ首相は「シリア統治体制の崩壊は我が政権にとって極めて重要な新しい機会である」とし、同時に「1974年の対シリア停戦合意は崩壊した」と発表しました。
-
ロシア・スプートニク通信によりますと、ダマスカス郊外にある、イスラム預言者の末裔でシーア派3代目イマーム・フセインの妹にあたるゼイナブの霊廟が襲撃されました。
-
シリア紙アル・ワタンは「武装勢力は首都ダマスカス入り後、9日16時から午前5時(現地時間)まで戒厳令と外出禁止令を発令した」と発表しました。
-
イラン外務省はシリアにおける先般の情勢変化について声明を発表し、シリアの統一、国家主権、領土保全の尊重という我が国の原則的な立場を想起するとともに、「シリアの国運の決定および将来に関する決断は、外国の押し付けや破壊的な干渉なく、シリア国民の責任のみに委ねられるべきだ」と強調しました。
-
アルアーラムチャンネルによりますと、シオニスト政権イスラエル軍が、占領下のゴラン高原を軍事封鎖地域と宣言しました。
- IRIB通信;「ジャラリ・シリア首相は、同国での自由選挙の開催を求めている」
- IRIB通信シリア特派員が、「シリアを支配する勢力は、同国首都ダマスカスのイラン大使館襲撃は自分たちとは無関係だと発表した」と伝えました。
- イラク国営通信が、「イラク軍最高司令官のヤフヤー・ラスル報道官は、イラク・シリア国境の状況はイラク軍の管理下にあり、地域には国境警備隊および軍、民兵組織ハシャド・アルシャビが存在している」と報じました。
- ロイター通信が2つのシリア情報筋の話として、同国のアサド大統領が飛行機事故で死亡した可能性が高いと主張しました。
- アルアーラムチャンネルによりますと、シリア外務省は「海外の我が国の代表機関は業務とサービス継続する」と発表しました。
- シリア首都征服作戦の司令官を自称する同国武装勢力の司令官の一人、サルハディ氏はシリアのテレビ局のインタビューで、「我々は、国外に出た人々を含むすべてのシリア国民にシリアに戻るよう求める。明日からは、銃器が人々の手にある口実は一切存在しなくなる」と語りました。
- ロイター通信が、「シリア武装勢力が同国北部マンビジのクルド人勢力に対する攻撃を開始した」と報じました。
- イラク国営通信が、「イラク政府はシリア首都ダマスカスにある大使館員を退避させ、職員をレバノンに移送する」と発表しました。
- カタールのアラビア語チャンネル・アルアラビーは、「在ダマスカス・イラン大使館の建物が武装勢力の攻撃を受けた」と報じました。
- 米誌『ニュー・ラインズ』は地元筋の話として、シリア武装組織タハリール・アル・シャームとつながりのある因子が同国北部アレッポで一部の人々を処刑したことを明らかにしました。
- ウェブサイト「シリア・トゥデイ」が、「最近の情勢変化を受け、シリアの通貨は首都ダマスカスでの取引で42%下落し、1米ドルは2万2000シリア・リラとなった。アレッポ市では、この下落はより深刻で、実に64%下落し、1ドル3万6000シリア・リラとなった」と報じました。
- シオニスト情報筋が、「イスラエル内閣は閣僚らに対し、シリアの情勢変化についてコメントしないよう命令した」としました。
- アルアーラム・チャンネルによりますと、トランプ次期米大統領は、シリア情勢の進展を受けてメッセージを発し、「米国はシリアで起きている出来事について何もすべきではなく、現在のシリア紛争は米国とは何の関係もない」と述べました。
- レバノン・アルマヤーディンTVが、「UAEアラブ首長国連邦のガルガシュ大統領外交問題顧問はシリアの情勢変化を受けて、『非政府系勢力に政治空白の乱用を許してはならず、軍事防衛機関は武装集団の管理下に置かれてはならない』と述べた」と報じました。
- アルアーラム・チャンネルが、「シリア首相は、同国のアサド大統領とアリ・マフムード・アッバス国防相の居場所については知らないと述べた」と報じました。
- イスラエル第11チャンネルTVが、シリア武装組織タハリール・アル・シャームのメンバーの1人とのインタビューで、イスラエルに対する彼らの立場について質問したと報じました。この人物は公開動画の中で、「親愛なるイスラエルの隣人と友人の諸君!過激派は一切存在しない。我々はこの情熱を共有しており、シリアに来て投資するようイスラエルに求める」と呼びかけています。
- イスラエルのニュースサイト「ワッラー」が、「イスラエル政府は、武装組織タハリール・アル・シャームを含むシリアの複数の集団と直接および仲介を通じて接触している」と報じました。
- シリアの武装勢力がテレビ放映された声明の中で、同国内のすべての囚人の釈放を発表しました。
- シオニスト政権イスラエル軍の戦闘機がシリア南部クネイトラ郊外を爆撃しました。
- イスラエル政権筋は、同政権軍が占領下のゴラン高原にある武器庫を攻撃したと表明しています。
- イスラエル政権ラジオが、「我が軍は現在、シリアとの停戦ライン及び境界線の延長線上に深い堀を掘削中である」と報じました。
- シオニストメディアが、占領下のゴラン高原クネイトラにイスラエル軍戦車が到着したと報じました。
- イスラエル軍ラジオは、同軍が占領地境界近くのシリア・クネイトラの緩衝地帯で軍事作戦を開始したと発表しました。
- レバノンのニュースサイト・エルナシュラが、「シリア反体制派は、同国西部ホムス県の軍事刑務所から3500人以上の受刑者が脱走したと表明した」と報じました。
- 反体制武装組織は、シリア首都ダマスカスにある大統領府に進入しました。
- シリア武装組織タハリール・アル・シャームの司令官は、同国の複数の公的機関は正式な引き渡し時まで引き続き首相の管理下に置かれると発表しました。
- アル・ジャラリ・シリア現首相が、反体制派による政権転覆後、「我々は閣僚理事会において、我が国の将来と決断を懸念する全シリア国民に手を差し伸べるとともに、国民に対し公共および政府の財産に損害を与えないよう求める。シリア国民が選出するあらゆる人物に協力する用意がある」と語りました。
- イラン、カタール、サウジアラビア、ヨルダン、エジプト、イラク、トルコ、ロシアは共同声明を発表し、「この危機は、1つの危険な政変であり、我々は政治的解決を求めている」と表明しています。
- シリア反体制派は、「我らはシリア首都ダマスカスを制圧し、この国のバッシャール・アル・アサド大統領はシリアを去った」と宣言しています。 この発表は、数時間前に反体制勢力が奇襲攻撃でシリア北西部ホムス市を制圧した後に行われました。