アフガン・パキスタン衝突：何が起きているのか？

アフガニスタン・タリバン政権とパキスタンの緊張は、ついに軍事衝突に発展しました。国際社会は両国に対し、自制と対話を通じて危機の拡大を防ぐよう求めています。

アフガニスタン・タリバン暫定政権の軍は11日、パキスタンが9日に首都カーブルなどを空爆したことへの報復として、国境地帯でパキスタン兵らを攻撃しました。アフガニスタン側の発表によると、パキスタン軍の拠点とISIS関連施設を攻撃したということです。これに対し、パキスタンの情報筋は、アフガニスタン領内のタリバンとISISの拠点を複数破壊したと伝えています。

パキスタンはアフガニスタンを空爆した理由について「パキスタン・タリバン運動（TTP）の拠点を破壊するため」としていますが、アフガニスタンのタリバン政権はこれを「明らかな国家主権の侵害」とし、これに対する報復としてパキスタンの国境地帯にある軍に広範囲な作戦を開始しました。

情報筋によると、タリバン政権軍はいずれもパキスタンと国境を接するクナル、ナンガルハール、ヘルマンドの各州でパキスタン側の複数の国境警備所を占拠し、さらにパキスタン領土内に10キロメートルほど進軍したということです。一方、パキスタンはこの主張を否定し、「タリバンの侵略的な攻撃」を非難し、パキスタン側が反撃作戦でタリバンの拠点を破壊したと報告しています。

この危機の根本原因は、「デュアランド・ライン」と呼ばれる両国の国境線を巡る長年の対立にあります。この線は1893年にイギリス植民地政府によって引かれ、それ以来、南アジアにおける常に緊張した争点の一つとなっています。同時に、イラン・イスラム共和国とサウジアラビアは、この緊張の高まりを懸念し、両国に自制を求め、外交の道を通じて問題を解決するよう呼びかけています。

分析家たちは、戦闘の続行が地域のさらなる不安定を招く可能性があると警告しています。彼らは、実際の解決策は戦場ではなく、両国政府の対話と安全保障協力にあると強調しています。デュランド線で新たな戦争が起きれば、両国の民衆が犠牲になるだけだと警告しています。

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