ヨルダン川西岸で前代未聞の人道危機;UNRWAが抑圧と難民化の結果について重大な警告
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UNRWA:「ヨルダン川西岸は過去数十年で最悪の人道危機に直面」
UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関が「ヨルダン川西岸地区は過去数十年で最も深刻な人道危機に瀕しており、この危機はシオニスト政権イスラエル軍およびシオニスト入植者による暴力の激化、子どもたちの難民化、広範囲にわたる移動制限によって益々悪化している」と発表しました。
UNRWAは新たな報告において、「ヨルダン川西岸地区は1967年以来最も困難な人道的状況に直面している」と発表しています。この危機の様相を悪化させているのはイスラエル軍による暴力の増加、難民キャンプへの頻繁な襲撃、そして特に子どもの難民化の増大です。UNRWAの統計によれば、2025年初頭以降だけでも1万2000人以上のパレスチナの子どもたちが住処を追われ、47人の子どもがシオニスト軍の攻撃で殉教しました。
【ParsToday西アジア】イルナー通信によりますと、ヨルダン川西岸地区内にあるジェニン、トゥルカルム、ヌールシャムスの各難民キャンプへのイスラエル軍の集中配備により、数万人のパレスチナ人の生活環境が破壊され、再建後間もないインフラも破壊されています。UNOSAT国連衛星センターの調査によれば、土塁の設置や主要道路の破壊により、救急車や救援活動が被災地に到着できなくなっています。
同時に、OCHA国連人道問題調整事務所は「2023年10月から2025年11月にかけて、ヨルダン川西岸地域で218人の子供を含む940人以上のパレスチナ人が殺害され殉教した」と発表しました。こうした暴力行為に加え、入植者による攻撃も激化しており、UNRWAによれば、去る10月は過去12年間で入植者による活動が最も暴力的だった月とされています。また、イスラエルのメディアも、入植者民兵の行動が制御不能に陥り、軍の監視なしに活動を続けていることを認めています。
このような状況にもかかわらず、UNRWAは27万人への社会保障の提供に加えて、数千件の医療相談、そして4万8000人の児童生徒を対象とする96校の学校運営など、不可欠なサービスを継続的に提供しています。UNRWAは「移動制限と軍事作戦の継続により数千人もの子どもたちが教育、医療、そして基本的な安全を奪われることになる」と警告しており、「これらの軍事政策や制限が停止されなければ、ヨルダン川西岸での人道危機はより危険な段階に突入するだろう」との見方を示しています。

