国連の新たな報告書:イスラエルの免責特権の終焉に向けた一歩か、それとも過去の怠慢の繰り返しか?
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国連が新たな報告書の中で、パレスチナ人に対するシオニスト政権イスラエルの組織的犯罪の新たな側面を明らかにしました。
(last modified 2025-12-01T11:35:32+00:00 )
12月 01, 2025 20:33 Asia/Tokyo
  • パレスチナ人に対するイスラエル兵の対応は非人道的
    パレスチナ人に対するイスラエル兵の対応は非人道的

国連が新たな報告書の中で、パレスチナ人に対するシオニスト政権イスラエルの組織的犯罪の新たな側面を明らかにしました。

【ParsToday国際】国連拷問禁止委員会は最新の報告書で「イスラエル政権は事実上、パレスチナ人に対する組織的かつ広範囲にわたる拷問の実行という政策を踏襲しているが、その一方で同政権軍は戦争犯罪の免責を享受している」としています。

この報告書は、過去2年間にわたるパレスチナとイスラエル政権の間の出来事を検証したもので、同政権の治安部隊が戦争犯罪の処罰を免れていることへの懸念も提起しています。1984年の国連拷問禁止条約の実施を監視するために設置された国連委員会はさらに踏み込み、「シオニストの占領下にあるパレスチナにおけるイスラエルの政策全体が拷問に相当する可能性がある」と指摘しました。

国連拷問禁止委員会は前述の報告書において、パレスチナ人に対する「激しい暴行の反復、犬による攻撃、電気ショック、故意に水中に落とし込んでの溺死、ストレス状態の長期利用、性的暴力についての強い懸念」を明らかにしています。

この報告書ではさらに、「パレスチナ人被拘禁者は動物的行為を強要され、放尿の的にされ、組織的な医療拒否を受けるほか、足かせや手錠が過度に使用されている」と説明しています。

10人の独立した専門家で構成されるこの委員会は、イスラエル政権の「違法戦闘員」法が広く適用されていることに懸念を示しています。イスラエルはこの法律により、数千人ものパレスチナ人の成人男女や子供を裁判なしで長期間拘留することが可能になっています。

2023年10月7日のガザ戦争開始から2年間を概観した国連の新たな報告書では、拘束されている子どもの数が相当数に上ることが強調され、「イスラエルの法定刑事責任年齢は12歳だが、この年齢に満たない子どもも拘束されている。治安犯に分類された子どもたちは、家族との接触が厳しく制限され、国際基準に違反して独房監禁され、教育を受ける機会が与えられない場合さえある」と指摘しています。この報告書はイスラエル政府に対し、子どもの独房監禁を中止するよう法律改正を求めています。

国連拷問禁止委員会の報告書はまた、ガザ紛争中に75人のパレスチナ人被拘禁者が収監環境で死亡・殉教したこと、そしてその殉教者数は「異常に多い。現在まで、彼らが命を落としたことについて問責された政府関係者はいない」と指摘しました。

最近の国連報告書は、シオニスト政権が組織的な政策を通じてパレスチナ人に拷問を加え非人道的に扱っていることを改めて示しています。これらの行為は国際法の明白な違反であるのみならず、戦争犯罪および人道に対する罪に該当し、被占領国に対する組織的かつ国家的な犯罪の明確な例とされています。

国連は、イスラエル治安部隊による戦争犯罪が処罰されていないことについても、強い懸念を表明しています。イスラエル軍が沈黙し処罰されないことにより、こうした犯罪が継続するリスクが高まっており、この状況を終結させるために国際社会が真剣な行動をとる必要性が浮き彫りになっています。

この国連報告書は、イスラエル政権がパレスチナ人に対して拷問、暴力、非人道的な対応を組織的に行っていること、そしてこれらの行為がジュネーブ条約や国連拷問禁止条約を含む国際法への公然たる違反であることを裏付けています。

イスラエル政権によるパレスチナ人への扱いは、以下に挙げる複数の国際法文書への違反とされています;

- 第4次ジュネーブ条約(1949年):この条約は、戦時および占領下における民間人の保護を保障するものである。拷問、非人道的な扱い、医療を受けさせないことは、この条約第3条および第32条への明確な違反に該当する

- 国連拷問等禁止条約(1984年):あらゆる形態の拷問、残虐かつ非人道的、もしくは品位を傷つける扱いは禁止されている。国連の報告書によれば、イスラエルはこの条約に組織的に違反している

- 市民的及び政治的権利に関する国際規約(1966年):当規約第7条は拷問及び非人道的な扱いを禁止している。パレスチナ人捕虜への医療提供の拒否や侮辱は、この条項への明白な違反に当たる

-ICC国際刑事裁判所ローマ規程(1998 年):占領下での民間人に対する拷問および非人道的な扱いは、人道に対する罪および戦争犯罪に分類される可能性がある

結論として、シオニスト政権によるパレスチナ人への極めて非人道的な扱い、特に最近2年間にわたるガザ紛争での扱いに関して新たな国連報告書が発表されたことは、米国の直接支援を受けて行われているイスラエルの犯罪的かつ非人道的な行動の性質を改めて明らかにしたと言うべきでしょう。
 

 


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