シリアを巡るアスタナ会議の終了
シリアを巡るアスタナ会議が、トルコの妨害により、最終宣言を発表せずに終了しました。
シリア政府代表団のジャアファリ団長は、2日間のアスタナ会議で、16日木曜、この会議の終わりに声明は発表しないとし、「トルコと反体制派は協議を失敗させようとしていると述べました。
こうした中、シリアの反体制派の間の対立が会議の開催前からも明らかになっていました。アスタナ会議では反体制派の構成について基本的な対立がありました。シリアの反体制派は、反対派側は多くがトルコに属するグループで占められていると抗議していました。このためトルコはアスタナ会議で、シリアの反体制派を支持するために大きな役割を担っていたと言うことができるでしょう。
この協議の開催のプロセスにおいても、会議を失敗させるためのトルコの意志とマイナスの役割が明らかになっています。この問題はジャアファリ団長も強調していたことです。同団長によれば、アスタナ会議で、トルコの2つの団体が、遅れて到着したため、最終宣言を出すことができなかったということです。
これにもかかわらず、アスタナ会議の最も重要な成果はシリア政府とシリアの反体制派がテロ対策で合意したことです。これは、1月に開かれた最初のアスタナ会議でも合意されていました。また最初の会議のもう一つの成果は、停戦の維持と停戦監視委員会の結成に向けた合意であり、シリアの反体制派の指導者もこの合意の署名を明らかにしました。こうした中、この協議は、サウジアラビアの支持を受けている反体制派の敗北ともいえます。というのもこのグループはサウジ、ヨルダン、カタール、UAE、ロシア、トルコなど、イランを抜いたアラブ諸国による停戦監視委員会の結成を求めていたからです。しかし、これは実現しませんでした。
こうした中、アスタナ会議で検討されなかった問題はシリアの新たな憲法です。これについては二つの理由が存在します。一つはシリア政府のジャアファリ団長がこの会議で憲法の検討は国内問題だとしたため、もう一つはトルコが一部の憲法の条文に反対し、ロシアが草案を作成した憲法の検討に同意しなかったためです。
2月23日に行われる予定のジュネーブ協議に関しても曖昧な点が存在します。これに関して、ジャアファリ団長は、1ヶ月以内に、シリアに関する別の協議が開かれることになったと述べましたが、この問題がジュネーブ協議の延期を意味するのか否かははっきりと述べませんでした。