視点;UAEフジャイラ港湾爆発事件の様々な側面
12日日曜、UAEアラブ首長国連邦のフジャイラ港湾で複数の爆発が発生し、これにより少なくとも7隻のタンカーが炎上しました。
中東問題アナリストのエマーディ氏は、今回の事件について次のように述べています。
ーフジャイラ港湾爆破事件はいくつかの側面から分析可能である。
第1の点として、今回の爆発はUAEにとって大きなショックだったと言える。このことからも、UAEの政府関係者は当初この事件を隠蔽し、フジャイラ港湾での事件発生を一切否定していた。しかし、この事件に関する報道が広く流されたことを受け、事件発生を認めざるを得なくなった。
サウジアラビアのファテフ・エネルギー大臣も、今回の事件で同国船籍のタンカー2隻が甚大な被害を受けたことを認めている。
第2に、今回の事件によりUAEの防衛・安全システムの弱点が露呈された。その理由として、今回の事件がどのような形で発生したのか、今なお解明されていないことが指摘できる。
第3に、UAEとサウジアラビアの政府関係者はおそらく、抵抗運動の主軸と関連付け、こうした抵抗の枢軸に打撃を与え、彼らにとっての政治・安全保障分野での影響を和らげる機会として、今回の事件を利用しようとするかもしれない。しかし、このようなやり方は完全なはぐらかし行為となる。
第4に、今回の事件が特にイエメン戦争への参加やテロ支援という、地域の情勢変化におけるUAEの行動を示したように見受けられる。実際、今回の事件はUAEとサウジによるテロ醸成の産物とも見ることができる。
5番目に、アラブ人の著名なアナリスト、アブドルバーリー・アトゥワーン氏によれば、今回のフジャイラ港湾での爆発が、シオニスト政権イスラエル軍、もしくは地域に潜む中核因子により行われた可能性があるとされている。そうした中核因子やイスラエルは、ペルシャ湾での混乱にまぎれて悪事をはたらき、軍事衝突の狼煙を上げようとしている、というのが同氏の見方である。
この点を踏まえ、アトゥワーン氏は「アメリカ海事局は11日土曜、イランがおそらくタンカーをはじめアメリカの船舶を攻撃する可能性があるとして警告を発した。バーレーン駐留アメリカ第5艦隊副司令官も、アメリカ軍が出動・臨戦態勢にあると表明している」
実際に、このような解釈からは、融和的な勢力と反抵抗勢力とつながりのある潜在的な中核因子、あるいはイスラエル系の因子が計画的、意図的に、フジャイラ港湾での爆破行為を起こし、こうした事件やメディアの大々的なプロパガンダにより、イランや抵抗の主軸となる勢力を今回の事件の首謀者として言いふらし、アメリカを地域での抵抗勢力やイランとの戦争へと仕向けようとしていることが伺える。
最後に、イランは今回の事件の反応として、真っ先にこの事件を非難し、そしてあらゆる条件下での西アジア地域にとっての安全と安定を求めている。
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