国連事務次長、「シリアは人道上の危機に直面」
国連のグリフィス事務次長(人道問題担当)が、シリアにおける食料安全の欠如や飢餓の危機について警告しました。
シリア危機は2011年、アメリカとその同盟国が地域のパワーバランスをシオニスト政権イスラエルの有利となるよう変更すべく、シリアに大規模な攻撃をしかけたことから発生しました。
シリア軍はイランの軍事顧問やロシアの支援を得て、国内でのテロ組織ISISの問題を収束させることに成功しています。
過去11年間にわたるシリア危機において、アメリカやサウジアラビア、トルコおよび一部のヨーロッパ諸国といった国々は、シオニスト政権イスラエルとともに、シリア危機の悪化に大きく加担しました。
これにより、多数のシリア国民が住処を追われて難民化し、不発地雷の爆発による被害といった様々な危険に遭遇することとなっています。
IRIB通信によりますと、グリフィス事務次長はシリアでの人道状況を検討する国連安保理会合において、「シリアでは緊急支援を必要とする人々の数が過去11年間で最多となっており、同国は飢餓や食料安全の欠如という点で、異例の統計を示している。特に同国では、かつてなかったほど多くの女性や子供が栄養不良に苦しんでいる」と語りました。
また、「シリアは水資源の枯渇の危機に見舞われており、地球温暖化の影響でユーフラテス川の水量が大幅に減少している。また、子供が不衛生な水による疾病に罹患している」と述べています。
グテーレス事務総長も安保理において、シリア北西部住民に対する隣国トルコからの支援物資送付の延長への同意を求めるとともに、「国連はシリア北西部に対し、国境警備隊を通じて5つの支援物資を渡した」と語りました。
「シリア北部のテロリスト・反体制派の掌握地域に対するトルコ国境検問所を通じての支援物資送付」と称した安保理決議は、来月10日に有効期限が満了することになっており、その期限延長には安保理内での拒否権行使なしでの9つの賛成票が必要とされています。