7月 27, 2022 17:07 Asia/Tokyo

アメリカ国土安全保障省が、世界で最も死者が多く出ている国境である米・メキシコ国境地帯での密入国について、斡旋ブローカーの収益が2018年の5億ドルから現在は130億ドルに増加していると発表しました。

米ニューヨークタイムズ紙のウェブサイトによりますと、アメリカ国土安全保障省による調査の結果、密入国斡旋を行っている組織が管理、輸送、監視、隠れ家、会計でそれぞれ専門チームを抱えており、 2018年には5億ドルだった収入を、現在は130億ドルにまで増やしていることが分かりました。

IOM国際移住機関の調査によれば、昨年米・メキシコ国境で亡くなる、もしくは行方不明となった移民数は728人となり、このことから、同国境は「世界で最も死者が多い」国境とされています。

アメリカへの不法入国を望む人数が増加するにつれ、斡旋ブローカーに活動の場が開かれ、組織的犯罪および、その結果としての死者発生の件数が増加しています。

米・メキシコ国境で起きた最新の死者を伴う密入国関連の事件では、テキサス州サンアントニオでトレーラー1台の荷台から53人の密入国者が発見された例があります。

諸報告によれば、昨年は5046人以上が密入国斡旋の罪で逮捕・処分されました。この人数は、2014年には2762人でした。

移民や国境警備などを専門とするバージニア州ジョージメイソン大学のGuadalupe Correa-Cabrera准教授によれば、密入国斡旋業者は通常、ラテンアメリカの人々からは1人あたり4000ドル、アフリカ、東ヨーロッパ、アジアの人々からは1人あたり2万ドルを、報酬として受け取っています。

これに関しては、アメリカ移民・関税執行局のPatrick J. Lechleitner臨時副局長も昨年の議会において、「密入国斡旋業者の収益は2019年以降、劇的増加をみせ数倍となり、巨額の金を得る拠点となっている」と述べていました。

 


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