ノルドストリーム1、ガス供給量が2割まで減少 ロシア「制裁なければ正常に稼働」
7月 27, 2022 21:03 Asia/Tokyo
ロシアと欧州を結ぶ天然ガス・パイプライン「ノルドストリーム1」は、27日水曜、輸送量が最大容量の20%にまで減少しました。ロシア大統領府のペスコフ報道官は、カナダで修理中のタービン1台がまだ返却されておらず、別の1台にも不具合が生じたとしています。
ロイター通信によりますと、ノルドストリーム1を運営する露ガスプロム社は26日、不具合の出たタービン1台を停止させるため、27日からガス供給量を日量3300万立方メートルに減少すると発表しました。
実際、27日にはドイツのガス会社ウニパーが、合意量の2割しか供給されていないと発表しています。
ドイツ連邦ネットワーク庁のミュラー長官はこの事態をうけ、さらなるガス節約を国民に呼びかけました。現在、ドイツでは緊急ガス計画3段階のうち第2段階に入っており、第3段階に入ればガスは配給制になるとされています。ミュラー氏は今後の見通しについて、数日から数週間以内に貯蔵容量を増やすことができれば、第3段階突入は避けられるとしています。
一方、ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ノルドストリーム1の供給量減の原因について、「カナダからタービンが返却されていない」「対露制裁が状況を複雑にしている」などと述べ、制裁がなければノルドストリーム1は正常に稼働していたとの考えを示しました。
ノルドストリーム1は10日間の定期点検を経て、21日にガス輸送が再開されたばかりでした。