ロシアが、米の化学兵器廃棄を要求

在米ロシア大使館が、アメリカ政府に対して化学兵器の備蓄を廃棄するよう要請しました。

ロシア・リヤノーボスチ通信のウェブサイトによりますと、同国の反政権運動指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が毒による攻撃を受けた件をめぐり、アメリカが新たにロシア政府を非難したことを受け、在米ロシア大使館は声明を発表し、「米国は、未だに化学兵器を破壊していない唯一の国である。我々は同国に対し、国際的な法的義務から逃れないように求める」としました。

また、ロシアの内政に干渉しないようにも求めたうえで、「ロシアに化学兵器があるという米国の主張は、誤ったものだ」と続けました。

そして、ロシアが2017年に保有していた化学兵器をすべて廃棄したことに言及し、「OPCW・化学兵器禁止機関も、この件を公式に確認している」と指摘しました。

西側寄りのナワリヌイ氏は2021年1月17日、ドイツからロシアへ帰国した際に逮捕されました。

同氏は、猛毒の神経剤・ノビチョクによる攻撃を受けたことから、治療のために5か月間、ドイツに滞在していました。

西側諸国は、ナワリヌイ氏に対して神経剤を使用したとしてロシアを非難していますが、一方のロシア側は、この主張を強く否定しています。

この声明に先立っては、ロシアの裁判所がナワリヌイ氏と関係のある政治団体を「過激派」に指定し、そこに属するすべての人々に対してロシア議会選挙に参加することを禁じました。

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