ドイツがガス高騰で新たな緊急対策計画、EU内で再び足並みの乱れ
(last modified Tue, 11 Oct 2022 08:57:31 GMT )
10月 11, 2022 17:57 Asia/Tokyo

ドイツ政府が、天然ガス価格高騰問題で消費者の負担軽減に向けた緊急対策の実施を計画しています。

ロイター通信によりますと、ドイツ政府は10日月曜、天然ガス価格高騰問題で消費者の負担軽減に向けた960億ユーロ(930億ドル)規模の新たな緊急対策の実施を計画していると発表しました。

専門家委員会が提案したこの計画は、家計と中小企業に対して今年1カ月分のガス料金相当を一時金として給付するほか、来年3月からガス価格に上限制度を導入することなどが盛り込まれ、政府は現在実行するための具体的作業を進めています。

鉱業・化学・エネルギー労働組合(IG BCE)委員長で専門委員会メンバーのミハエル・バシリアディス氏は「ガスの貯蔵施設が一杯になったとはいえ、供給状況は引き続きひっ迫している」と危機感を表明しました。

計画の財源は年内に承認される予定の政府による追加借り入れで賄いますが、この借り入れは今年と来年の予算で政府債務として計上されない特別枠となります。

そのため、2020年に停止した債務ブレーキ制度(財政均衡や政府の借り入れ制限に関する規定)を来年復活させるとしていたリントナー財務相の方針にも反しないということです。

このようにエネルギー危機に直面しているドイツが独自の対策を打ち出したことで、欧州の足並みが再び乱れ始めています。

特に、チェコの首都プラハで今月6日に行われたEPC欧州政治共同体の初会合では、ドイツのこうした政策に対してラトビアやポーランドなど、複数のEU加盟国首脳が不満を示しています。

 


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