米情報サイト、「欧州は貧困国からガスを吸い上げている」
米国際金融情報サイト・ブルームバーグが、「欧州のガス需要により、貧困国がガス市場から切り離されている。一方で、こうした需要に起因するガス価格の高騰が、貧困国からガス購入の競争力を奪っている」と報じました。
ブルームバーグは、スイス金融大手「クレディ・スイス」のアナリストであるソール・カブニク (Saul Kavonic)氏の話として、「EU欧州連合のエネルギー危機は必然的に、発展途上国のエネルギー困窮につながるだろう」と報じています。
同氏はまた、「ヨーロッパは、どれほどの金額を払ってでも他国のガスを吸い取る」と強調しました。
この報道によりますと、エネルギーコストが上昇しているものの、EU諸国は十分な量の石油とガスを購入しているため、これから迎える寒い季節を乗り切る準備ができているように思われます。
しかしこのことは、ヨーロッパの高い需要で世界の最貧国がガス市場から切り離され、さらに価格の上昇によって最貧国にとってガスの費用が高くなるという現象を引き起こしています。
複数の報告でも、新興国は自身のエネルギー需要を満たせないという深刻な危機にさらされていることが示されています。エネルギー安全保障上の問題のもたらす結果として最も可能性が高いのは、工場の閉鎖、頻繁あるいは長時間の停電、そして社会の情勢不安です。
カタールとアメリカの輸出業者は、備蓄量を満たすためにできるだけ多くの燃料を購入しようとしているヨーロッパの顧客からの注文を受け入れています。
これにより、パキスタン、バングラデシュ、タイなどの発展途上国は、ドイツや他の経済大国と価格をめぐり競争することができなくなります。
この報告はまた、EUがロシアからの輸入の減少によって引き起こされたエネルギー危機に苦しんでいるとしてます。