米経済学者が、BRICS諸国の通貨価値に対するドル下落を懸念
(last modified Sun, 16 Apr 2023 10:48:00 GMT )
4月 16, 2023 19:48 Asia/Tokyo
  • BRICS諸国の通貨価値に対するドル下落
    BRICS諸国の通貨価値に対するドル下落

米国の経済学者が、BRICS諸国間の取引からドルが排除された場合、ドルの世界的覇権が損なわれるとして警告しました。

ブラジルのルラ大統領は13日、訪問先の中国・上海でBRICSが創設した新開発銀行の初代総裁就任式に出席し、BRICS各国に対し、加盟国間での取引には独自の共通通貨を使用することを求めました。

BRICSは、新興経済国であるブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字をとった連合体で、多くの識者が西側諸国・欧米諸国に対抗するものとみなしています。

米の保守系シンクタンク・ヘリテージ財団のピーター・オンジ研究員は16日日曜のFOXニュースとのインタビューで、BRICS諸国の通貨価値がドルに対して持つ「危険性」について言及し、「BRICS共通通貨が実現すれば、80年以上続いたドルの覇権は終焉し、インフレが進み、銀行は損失を被るだろう。またアメリカの国力や影響力も前例のない規模で衰退する」と述べました。

また、「ロシアやロシア中央銀行が保有するドル資産にアメリカが制裁を課したことで、他国が、アメリカと政策が異なることが理由で自らも制裁を受けるのか、と考えるようになった」と指摘しました。

イエレン米財務長官も15日、「アメリカがドルの役割に関連して金融制裁を利用すれば、時の経過とともにドルの世界的覇権を弱体化させる危険が伴う」と警告しました。

IMF・国際通貨基金の推計によると、2030年に世界全体のGDPに占めるBRICSの割合は50%を上回るということです。2020年時点では、世界全体のGDPのうちG7諸国の割合が30%だったのに対し、BRICS諸国は31.5%でした。

 


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