国連人権理事会が仏を批判、警察のメーデー集会取締りめぐり
国連人権理事会が、メーデーのデモ集会参加者に対する警察の暴力的で人種差別的な扱いをめぐり、フランス政府を強く批判しました。
労働者の祭典の日であるメーデーに当たる1日月曜、多くのヨーロッパ諸国で労働者らによる集会やデモが開催されましたが、フランス首都パリでのこのデモは警察の介入により暴動に発展しました。
イルナー通信によりますと、スイス・ジュネーブに本部を置く国連人権理事会の会合では1日、スウェーデン代表が「フランス政府は、メーデーの抗議デモ参加者に対する同国の警察の暴力的対処と武力行使に関する公の報告を、完全な透明性をもって調査すべきである」と述べています。
この会合において、ロシア代表のクリスティーナ・スカチェワ氏は、「抗議者を解散させようとするフランス警察の不快で暴力的な行動は懸念すべきものだ」と表明しました。
またケリー・ビリングズリー米代表もフランス政府に対し、外国人移民に対する暴力と人種差別犯罪に対処するよう要請しています。
さらに、ブラジルと日本の代表も、デモ参加者に対するフランス治安部隊の人種差別的な対処の停止の必要性を強調しました。
こうした中、ジェラルド・ムッサ・ダルマナン仏内相は1日月曜、同国でのメーデー集会と同時に、ツイッターで「デモ参加者の大多数は平和的な行動を取っていたが、特に首都パリ、リヨン、ナントの警察は、警察官の殺害や他人の財産の略奪を目的に現れた非常に暴力的な凶悪犯に遭遇している」と書き込みました。
さらに、「フランス全土では、1日月曜の暴動で少なくとも108人の警官が負傷したほか、291 人が逮捕されたが、その数はさらに増えると予想されている」としています。
首都パリでは労働組合主導の平和的な抗議行動が始まり、参加者らが社会正義を求める横断幕を掲げ、マクロン仏大統領の辞任または、最低退職年齢を62歳から64歳に引き上げる法律の撤回を求めました。しかし、デモ参加者がパリ市内11区を行進した際、警察は催涙ガスを発射しました。