米NYで、地下鉄での黒人殺害を受けた抗議デモ
米ニューヨークで、地下鉄車内で黒人男性が殺害された事件を受けて人種差別に反対する抗議デモが実施されました。
今月1日、ニューヨーク市内の地下鉄の車内で、黒人男性ジョーダン・ニーリーさん(30)が、白人男性に首を押さえつけられて死亡しました。
米メディアに公開された動画には、24歳の米海兵隊員とされる男がごく冷静な状態で、車内に倒れもがいているニーリーさんの首の辺りを数分間に渡り押さえつけ、ほか2名が彼の足を捕まえている様子が映っています。
アメリカの報道各社は、ニーリーさんは2007年に母親が亡くなった後、重度の精神的うつ病に苦しみ、病気の悪化に伴いほとんどの時間を地下鉄で過ごし、乗客に金銭や食べ物を求めていたと報じています。
フランス通信によりますと、ニューヨーク市のデモ参加者はスローガンを連呼し、ニーリーさんの殺害を非難するとともに、横断幕を掲げてこれに関する正義の実施を求めました。
デモの参加者らは、今回の事件は、ニーリーさんと同様に窒息死させられた黒人男性ジョージ・フロイドさんの死を連想させるものであるとしています。
2020年5月25日、米ミネソタ州ミネアポリスで、白人警官のデレク・ショーヴィンが黒人男性ジョージ・フロイドさん(当時48)の首を10分近くにわたり膝で押さえつけ、恐怖におののく通行人の介入やフロイドさんのうめき声を無視しました。
この時に撮影された動画はネット上に公開され、全米はもとより国外でも、警察の暴力や人種差別に対する大規模な抗議の波を引き起こしています。
人種差別と黒人に対する暴力は、アメリカの歴史と同程度の古い歴史を有しており、常にアメリカ社会の嫌悪されるべき特徴の1つと見なされてきました。