6月 28, 2016 18:25 Asia/Tokyo
  • 中国の対北朝鮮制裁の計画

中国政府が、「北朝鮮に対する制裁の実施方法に関して国際社会と調整する計画がある」と発表しました。

ガッファーリー解説員

中国による対北朝鮮制裁の計画は、同国の最近のミサイル実験や核実験を理由にしたものだと発表されました。中国は、「これまでに、35カ国が、国連による対北朝鮮制裁の実施計画を、国連の関連委員会に提出した」としています。

国連安保理は、北朝鮮での最近のミサイル実験を、安保理決議への明らかな違反と見なし、この決議への違反に対しては制裁が行使されるとしています。

 

中国も、国際社会に同調し、北朝鮮に対して制裁を行使するとは考えにくいでしょう。中国も、世論にこのことを信じてもらおうとしているのではなく、自らの利益や状況を考慮しながら行動しています。

朝鮮半島の核問題、特に北朝鮮の核活動を巡っては、長年に渡り、中国が中心的な役割を果たしてきました。北朝鮮が地域の安定を崩そうとすれば、中国は北朝鮮を説得し、ミサイル実験や核活動を停止させようとしました。北朝鮮が協議の席につくことは、中国にとって、世界における外交力を示すための機会となるでしょう。

中国は、過去50年、世界やアジアの多くの変化にも拘わらず、北朝鮮との政治、歴史、イデオロギーの面での関係を維持してきた唯一の国です。現在、この国が、朝鮮半島の核の脅威を終わらせることができるかを見守る必要があるでしょう。

一部の政治評論家は、「中国は、北朝鮮の核問題に対して外交を実施する上で問題に直面しており、現状において、中国が、北朝鮮の核問題に対してリスクの多い外交を行おうとするかについては、朝鮮半島が、50年前、アメリカの帝国主義に対抗するために中国の兵士が命を落とした場所であることを忘れてはならない」と語っています。

中国にとって、現在最も重要なのは、現状を維持することですが、もし、アメリカと北朝鮮の緊張が高まれば、中国の指導者は、状況の悪化や脅威のレベルに応じて、朝鮮半島の問題解決に、より力強い措置を講じるだろうというのが、大方の見方です。こうした中、北朝鮮への制裁行使に関する国際社会と中国の調整は、アメリカが中国を困難な状況に追い込んだために生じたものです。アメリカ政府はこの中で、中国に対し、様々な手段を用いています。その例は、台湾の治安への懸念に関するアメリカと日本の合意に見られます。これは、北朝鮮問題の解決に影響力を行使する目的で、中国に圧力をかけるためのアプローチとなりうるものです。

中国は、北朝鮮の安全保障上の懸念は、アメリカと、その他の利益を共にする国々によって中立的に注目されるべきだと考えています。中国は、アメリカは、北朝鮮の政権を交代させようとするのではなく、北朝鮮に対して他の外交政策を取るべきだと考えています。

タグ