May 31, 2023 17:49 Asia/Tokyo
  • チョムスキー氏
    チョムスキー氏

アメリカの著名な思想家・言語学者のノーム・チョムスキー氏が、「ロシア産エネルギーと中国市場を失った欧州は、米国による一極的世界で衰退する運命にある」と指摘しました。

チョムスキー氏は、ロシアのスプートニク通信の取材に対して、ウクライナ紛争終了のシナリオを複数想定した場合、仮に外交による解決が不可能な場合、総力戦で互いを殺戮しあうパターンと、一方が降伏するパターンという、2つのシナリオがあると述べました。ただし、ロシアが仮に敗北の危機に瀕する場合、事態をエスカレートさせる上で無限の可能性があるともしました。

一方、「米国の目的が、ロシアを極度に弱体化させてウクライナ側に有利な条件を用意させることである以上、同国が紛争を継続させることは間違いない」と指摘しました。

そして、ウクライナ危機を外交で解決する見通しは暗く、現状では総力戦により人的資源の削り合いとなる可能性が高いとしながら、「欧州が米国の支配下に残りたいとするなら、おそらく衰退と産業空洞化を経験することになる」と警告しました。

欧州の衰退については、今月初めにも同じくスプートニク通信の取材を受けた米投資家のジム・ロジャース氏も、「EUのような政治的連合は、これまでの歴史の中で長続きしたことが未だない。EUは現在、問題に直面している」と語っています。

アメリカは、常に一極的な世界の指導者を主張しており、それにヨーロッパを巻き込んできました。

しかし、中国、ロシア、その他諸国がこの数十年で力を伸ばしたことで世界の経済的・政治的状況は変化し、西側諸国の当局者らは、西側の覇権と一極主義的世界の時代の終焉について考えざるを得なくなっています。

 


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