富裕国の炭素負債が192兆ドルに
世界の富裕国が現在、大気汚染物質を含むガスや二酸化炭素の排出によって貧困国に192兆ドルの負債を抱えていることが明らかになりました。
米フォーブス誌が5日月曜、英リーズ大学とスペインのバルセロナ大学による最新研究を引用して報じたところによりますと、西側を中心とした富裕国・先進国は、自国の産業から排出される二酸化炭素により他の国々が受ける影響への配慮として、2050年までに約192兆ドルを貧困国に支払わなければならないということです。
気候変動への対処の負担は、先進国と発展途上国の間に存在する不平等により、平等な負担では貧困国に重過ぎるため、一部の問題を貧困国が解決できるよう先進国が支援を行うことが求められています。
この研究によれば、アメリカ、ヨーロッパ、カナダ、オーストラリアといった国々は、約170兆ドルの炭素負債を負担する必要があるということです。
残る22兆ドルは、サウジアラビア、UAEアラブ首長国連邦、ペルシャ湾岸諸国などの、二酸化炭素の排出量が非常に多いそれ以外の国々が負担することになります。
研究者らは、貧困国が脱炭素社会へ移行するには年間約6兆ドルを受け取る必要があるとしていますが、アメリカが2050年までに支払える負債額は80兆ドルだけだということです。
しかし、アメリカおよびその他の先進国は、このような炭素負債を支払う必要があります。
一方で、二酸化炭素排出の抑制に向けてより効果的な措置を取る必要のある発展途上国も、ただ負債の支払いを受けるだけでなく、適切な行動をすぐに始める必要があります。
今回の研究ではさらにインドについても、炭素負債として57兆ドルを受け取る必要があると推計されました。