6月 11, 2023 17:56 Asia/Tokyo

アメリカで警官により14歳の黒人少年が銃殺された動画が公開され、多くの人々が衝撃を受けています。

黒人に対する人種差別や暴力の歴史は、アメリカおよび奴隷制時代の歴史と同じだけの長さを持ち、常にアメリカ社会の嫌悪されるべき特徴の一つとして認識されてきました。

アメリカでは近年、警察による黒人の殺害事例が多数報告されています。そのうちの1つは、2020年5月25日に同国ミネアポリスで発生した黒人男性ジョージ・フロイドさん殺害事件です。この事件で、フロイドさんの首を膝で10分近くにわたり押さえつけて殺害した警察官は、この恐しい行為に驚いた通行人の抗議を一切無視しました。この光景が動画撮影されインターネット上で公開されたことから、全米はもとより米国外でも、警官による人種差別と残虐行為に対する大規模な抗議活動が起こりました。

このような中、米国のニュース局第9チャンネルは先週、コロラド州オーロラの警察官が14歳の黒人少年ジョルデル・リチャードソン(Jor’Dell Richardson)さんを射殺した様子を記録したボディカメラ映像を公開しました。

この報道によりますと、ジョルデルさんと他の4人は、オーロラ大学近くの店で窃盗を働いた後、2人の警察官から追跡されました。

映像では、拘束されたジョルデルさんが「やめてくれ、俺はもう捕まった」と語った数秒後、警官の1人がジョルデルさんに向けて発砲していました。銃弾は腹部に命中し、警官らはジョルデルさんの心肺蘇生を開始しましたが、最終的にジョルデルさんは死亡しました。

米の非営利団体「Mapping Police Violence」の最近の統計によりますと、アメリカの警察は2022年に1,176人を殺害したということです。

公式統計によれば、アメリカ国内にはおよそ2億7000~3億丁の銃器が存在するとされています。これはアメリカ国民1人につきほぼ1丁の割合で銃器が存在することを意味します。しかし、同国では武器ロビーが議会などで幅を利かせていることなどから、アメリカ政府は今なお、より厳しい銃規制法案を制定するにはいたっていません。

 


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