米軍横須賀基地が有害物を海に排出、地元住民が抗議
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米軍横須賀基地
在日米軍横須賀基地が有害物質を海に排出していたことをめぐり、地元住民が政府に抗議しました。
中国国際放送CGTNが9日水曜、報じたところによりますと、昨年、在日米軍横須賀基地で健康に危害を与える有機フッ素化合物「PFAS」を含む廃水が海に排出されたことが明らかになり、市民から徹底した調査要求が出されました。
しかし、調査があっけなく片付けられたことを受けて、地元住民は今月7日、政府の不作為に抗議し、汚染原因の早急な究明を求めました。
米軍は、昨年11月に横須賀基地の廃水処理所にろ過設備を設置したことを明らかにし、排水について複数回の調査をおこなった結果、いずれも「日本側の基準を満たしている」としていました。

しかし、米軍側の表明に対し、横須賀市は踏み込んだ調査を求めなかったため、この消極的な姿勢に地元の人々は不満を募らせています。
在日米軍基地周辺ではこのほど、PFASが基準値を超えていることが相次いで明らかになっています。先月、在日米軍は横田基地からPFASを含む消火剤の流出があったことを認めました。この影響により、東京都では17の地域で基準値を超えるPFASが地下水から検出され、多摩地域では半数以上の住民の血液検査の結果が異常だったということです。
沖縄県がおこなった最新調査によりますと、沖縄にある米軍基地周辺の30カ所の水から基準値を超えるPFASが検出され、米軍基地が汚染源である可能性が高いことが判明しているということです。
PFASは分解しにくく、環境や人体に蓄積されます。専門家は、汚染された水を長期的に大量に飲用すれば、リプロダクティブ・ヘルスや児童の成長発育に影響を及ぼし、乳がんや前立腺がんなどの病気を誘発する可能性があると指摘しています。