11月 21, 2023 15:43 Asia/Tokyo
  • 世界の気温、現公約だけでは産業革命前より約3℃上昇
    世界の気温、現公約だけでは産業革命前より約3℃上昇

国連が、「世界の気温は産業革命前より約3℃近く上昇する」とした報告書を発表しました。

ロイター通信によりますと、国連は20日月曜に公表した報告書で、温室効果ガス排出削減に向けた各国の現在の公約の実施だけでは今世紀中に世界の気温が産業革命前より摂氏3度近く上昇するとの試算を明らかにしました。

今回の年次報告書「排出量ギャップ」は、気候変動対策に必要な削減量と各国の公約を評価したもので、「各国政府が気候変動対策を現在の公約よりも強化しない場合、世界の気温が産業革命前の水準より2.5℃~2.9℃の気温上昇に直面する」と指摘しています。

この問題について、科学者らは気温が3度上昇した場合、世界は後戻りできない複数の破滅的な悪影響を招く恐れがある、との予測を示しています。

 

国連のグテーレス事務総長

 

また、国連のグテーレス事務総長は「現在の傾向は私たちの地球が行き詰まる3度上昇に向かって突き進ませている」とし、「(温室効果ガス)排出量の差はむしろ排出量の峡谷のようだ」と述べました。

産業革命前と比べた気温上昇を1.5℃に抑えるとのパリ協定の目標を維持することを目指し、近くアラブ首長国連邦のドバイにて、COP28国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議が近く開催されることになっています。

2023年の夏は世界の平均気温も1891年の統計開始以降最高となり(速報値)、地中海沿岸や米国南部では最高気温が45℃を超えるなど、平年を大きく上回る高温を観測しました。

さらに、日本でもこの夏(6月~8月)の平均気温は1989年の統計開始以降、最も高くなりました。

日本全国のアメダス地点で6月~8月に観測された猛暑日地点数の積算でも、夏の平均気温が特に高かった年(2010年、2013年、2018年、2022年)と比べ、7月下旬以降に猛暑日地点数が大きく増加し、2010年以降最多となっています。

 


ラジオ日本語のソーシャルメディアもご覧ください。

Instagram     Twitter     urmediem


 

タグ