ガザ停戦決議案に対する米の拒否権発動を、各国が非難
20日の安保理会合でアメリカがガザ停戦決議案に拒否権を発動したことは、各国から多くの批判を招きました。
アメリカは20日の安保理会合において、理事国のうち13カ国が賛成票を投じたにもかかわらず、またもやパレスチナ・ガザ地区での即時停戦決議案に拒否権を行使しました。
この決議は、安保理内のアラブ諸国を代表しアルジェリアが提出したものです。
パレスチナのマンスール国連大使は、米の拒否権発動を「完全に無謀かつ危険」と非難し、「これは、アメリカのイスラエル支援の新たな事例であり、イスラエルがガザ戦争の責任を負うことを妨げる」としました。
その上で、「この拒否権発動は、イスラエルにガザでのジェノサイドを続けることができるというメッセージを送ることになる」と述べました。
また、キューバのディアスカネル大統領は、「アメリカは、イスラエルがパレスチナ人に行うジェノサイドの共犯者だ」と強調しました。
サウジアラビア外務省は、今回の米国の拒否権発動をうけて声明を発表し、「安保理には、世界の平和と安全の維持というその責任を果たすために二重基準に陥ることない行動が取れるよう、かつてないほど改革が求められている」としました。その上で、ガザの人道状況の悪化や、世界の平和と安全を脅かす軍事行動について、警告しました。
カタールのアリヤー・アフメド国連大使も、国連安保理がまたもやガザ停戦決議を採択できなかったことに遺憾の意を表明しました。
同大使はその上で、イスラエルがガザ南部ラファへ地上攻撃を行うと威嚇していることは「地域の暴力レベルや不安定化を増大させる」と指摘し、「我々は、ラファへのいかなる軍事攻撃にも反対する。また、パレスチナ人の強制移住について厳しく非難する」としました。
パレスチナ系米国人で弁護士・活動家のアーメル・ザフル氏は、今回の米国の拒否権発動を非難し、「バイデン大統領にとってパレスチナ人の命は価値を持たないことが示された」と述べました。そして、「アメリカがガザでの民族浄化やジェノサイドを支持しているのは、恥ずべきことだ」としました。