終わらせるべき英によるマルビナス諸島占領 南大西洋に対する英植民地主義の危険性
(last modified Sat, 13 Apr 2024 09:57:33 GMT )
4月 13, 2024 18:57 Asia/Tokyo
  • 終わらせるべき英によるマルビナス諸島占領 南大西洋に対する英植民地主義の危険性
    終わらせるべき英によるマルビナス諸島占領 南大西洋に対する英植民地主義の危険性

植民地支配による痛みが癒えない限り、世界が平穏になることはありません。アルゼンチンが領有権を主張し、イギリスが実効支配しているマルビナス諸島(フォークランド諸島)は、アルゼンチン固有の領土として世界に承認される必要があります。

1816年にアルゼンチンがスペインから独立した際、マルビナス諸島もその領土の一部として解放されました。しかし、1930年代になると当時の大英帝国がマルビナス諸島を侵略・占領し、アルゼンチン当局者や住民を追放した上、名前もフォークランド諸島と変更しました。

その時から現在に至るまで、アルゼンチン国民はマルビナス諸島の返還を求めていますが、イギリスは返還交渉にすら応じていません。

あらゆる植民地支配の例に漏れず、イギリスはマルビナス諸島に軍隊を駐留させ、国連やその他国際機関の度重なる要請も無視して、軍事演習の実施により地域の緊張を増大させています。

さらに昨年からは、新たな部隊をマルビナス諸島に配備しています。

こうしたイギリスの軍事駐留は、国連総会決議41/11で定められた南大西洋平和協力地帯に反するものです。この決議はブラジルが1986年に提起したもので、南大西洋地域における核不拡散と他国の軍事駐留の削減・排除を目指すものでした。

イギリスはアルゼンチンとの領土交渉を拒否しているだけでなく、マルビナス諸島周辺にある天然資源の採掘も行っています。

アルゼンチンはこうしたイギリスの姿勢にもかかわらず、あくまで実力行使を控え、平和的な解決を望むとする姿勢を堅持しています。

マルビナス戦争(フォークランド戦争)から40年以上が経ちましたが、アルゼンチンは今も自国領土に対する主権の回復をあきらめていません。

そもそもマルビナス諸島をめぐる両国の対立は、200年以上前の1820年にさかのぼります。イギリスは本土から1万2000キロ以上離れたこの一帯を、1592年に同国の艦隊が最初に発見し、そのおよそ100年後の1690年に最初のイギリス人が島に入ったと主張しています。

あたかも島には先住民がおらず、ヨーロッパに「発見」されたことで世界や人間として認識されたと言わんばかりのイギリスの主張は、植民地主義的な見方に他なりません。

専門家らは、イギリスがマルビナス諸島を占有する目的は、世界でも戦略的重要性が高いとされるこの一帯の海峡の覇権を握るためだとみています。

イギリスはマルビナス諸島を占領することで、漁業的価値の高い周辺海域の領有を主張しています。また、石油や天然ガスも埋蔵されているとされ、こうした天然資源の存在もイギリスが旧来の植民地支配をこの島に対して続けている要因とされます。

 

マルビナス諸島の位置。マゼラン海峡にも近い。

 

マルビナス諸島は西マルビナス島と東マルビナス島の2つの大きな島の他に、776の小さな島からなります。中心都市は東マルビナス島にあるスタンリーです。総面積は1万2173平方キロメートル、アルゼンチン本土からは483キロ離れています。

幸いなことに、植民地主義に対する世界の見方も変わりつつあり、イギリスがマルビナス諸島の占有をやめ、アルゼンチンに返還すべきだとする圧力も高まっていくことと思われます。そのためには、世界の独立諸国の協力が欠かせません。イランがマルビナス諸島の返還を支持するのは、植民地主義勢力の駆逐と世界の安定を目指しているからなのです。

 


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