世界の活動家は自国政権に要求すべき:米主導の体制に抵抗する必要性
(last modified Sun, 28 Apr 2024 08:06:16 GMT )
4月 28, 2024 17:06 Asia/Tokyo
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    世界の活動家は自国政権に要求すべき:米主導の体制に抵抗する必要性

南アフリカ、北アフリカのアラブ諸国、アイルランド、南米諸国、イラン、パキスタン、トルコ、中国、イラク、ロシア、インドネシア、マレーシア、シリア、イエメンなどの世界の国々に対し、米国がシオニスト政権イスラエルへの非難をやめるよう迫っていることは、世界規模での連合結成の必要性を明らかにします。

アメリカという帝国がパレスチナ人の権利、自由、植民地主義排斥、主権、さらには中間勢力の国家主権にとって大きな障害となっているため、他の政府、特に地域的勢力はこの問題に対処するための現実的な道を計画、追求する責務があります。

そのための最善の方法として、世界各国が西側諸国とアメリカ帝国という経済国への依存を減らすべきであることは言うまでもありません。BRICSなどのように、この目標実現に向けた取り組みは行われているものの、世界の経済構造を変えるには程遠いのが現状です。

そのための最も手っ取り早い方法の一つは、シオニスト政権イスラエルとの外交・経済関係を完全に断絶する国々に対して、アメリカが厳しい対応を取れないようにすることです。

仮に中堅諸国の連合が形成され、共同で対イスラエル関係の断絶を表明した場合、それらの全ての国に対する制裁行使や脅迫は米国にとって一層困難となると見られます。それは、そのような措置の実施には米国にとって莫大な費用がかかることが理由です。

このような連合結成は南アフリカ、イラン、トルコ、ブラジル、コロンビア、チリ、エジプト、モロッコ、スペイン、ノルウェー、アイルランドなどの国々から始まる可能性があります。またサウジアラビア、インドネシア、マレーシア、パキスタンなど、イスラエルとの外交・経済関係を全く持っていない諸国も連合に参加すると見られます。そして、他の大国もこの動きに参加して圧力を強化することが考えられるため、米国がそれらすべての国に矛先を向けることは事実上不可能となると思われます。

カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、ベルギーなどの国々は、この措置の正当性を理解しているものの、非常に臆病であるか、あるいは米帝国同盟における自国の利益や役割が損なわれる可能性があるため、かなり高い確率である程度までの参加に留まると見られます。それはたとえば、対イスラエル軍事制裁などについてです。

これらの道はいずれも決して平易ではないものの、それは必要であり、また奏功する可能性があります。活動家や著述家は自国政府の利益について語り始め、彼らにそのような連合結成を迫る必要があります。各国政府は「名誉と恥」の戦略と選挙政治の打算のみに基づいて行動すると思われます。活動家、政治アナリスト、研究者は自国政府を説得して、この政策路線を追求することが彼らにとって最大の利益であることを納得させることができるのです。

パレスチナ問題をめぐる米帝国主義に疑問を突き付けることは、より民主的な国際体制の創設に驚異的な影響を与えると見られます。確かに前述の国の一部は、パレスチナ国民の窮状を無視することで米国との紛争を回避できると信じていますが、これは以下の2つの理由から早計だと言えます。

第一に、パレスチナ問題に関して米国の怒りを回避できるからといって、それは今後別の問題で米国と対立しないという意味にはなりません。中堅国にとって、超大国の従属下に甘んじることは決して利益にはなりません。たとえそれが一時的には有益であっても、ある時点でこうした従属の代償が発生することになります。ここで一部には、この体制に異議を唱える必要がどこにあるのか、と言う声も出てきます。

ここで2番目の理由の出番となります。それは、今まさにアメリカ帝国主義に疑問を突き付けようとする世界的な大衆運動が起きているということです。今こそ、この機会を活かし、このエネルギーを活用して彼らを全人類の人権と自由を実際に守る民主的な国際体制へと導く時が到来しているのです。

ここで極めて重要なことは、この瞬間を活かして、米国の優位性が国際的な経済、政治、文化の方向性を決定するという世界や従来の取引には誰もついて来ず、容認しないというメッセージを米帝国に送ることです。アメリカ帝国はもはや、自らが変わるか孤立するかのいずれかを選ばねばなりません。私たちがその段階に到達した時、イスラエル入植者の植民地主義の終焉に至るでしょう。この道筋により、私たちはイスラエル入植者の2つの致命的な武器であるアパルトヘイトと大量虐殺の終焉に到達できるのです。

イスラエルは、世界的に孤立すれば自らの行動を変えることを余儀なくされるはずです。イスラエルにはもはや、入植者の植民地計画を阻止する以外に選択肢は残されていません。

このような結果は、パレスチナ人と先住民ユダヤ人にとって有益であるのみならず、「アメリカ帝国がもはやかつてのようなものではなく、アメリカ人を含む世界中の諸国民が超大国の指示下にないひとつの民主的な国際体制の構築に着手できる」という真のシグナルにもなるはずです。

民主的な国際体制は、大規模な戦争、帝国戦争、入植者の植民地主義的侵略の可能性を減らし、今日パレスチナ人が経験しているような甚大な人的苦痛の阻止に寄与するものです。

パレスチナ国民が100年以上にわたり直面してきている恐怖は、パレスチナ人によって始まったものではなく、またそこで終わることもありません。このような苦しみを避けることは全ての人々のためになります。そして、そのための方法のひとつはより民主的な世界を構築することです。

南アフリカ大統領を務めた故ネルソン・マンデラ氏はかつて、「パレスチナ人の自由がなければ、我々の自由が不完全であることを我々は熟知している」と語っていました。

今こそ、世界の他の国々がこの言葉の意味を真に理解し、帝国主義と植民地主義からの解放・自由の推進に向けて具体的な措置を講じるべき時が到来しているのです。

 

 


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