イスラエルによる虐殺正当化に英メディアが果たした役割
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イスラエルによる虐殺正当化に英メディアが果たした役割
作家のハイム・ブレシース=ツァブナー氏は、英メディアを「すべてイスラエル・ロビー」と断じ、「イスラエルの嘘の主張を拡散し、パレスチナ人に対するヘイトを煽った」と批判しました。
ブレシース氏はホロコーストを生き延びたユダヤ人の子孫で、かつてはイスラエル軍にも所属していました。
近年は、イスラエルによるパレスチナに対する行為を厳しく批判しており、英メディアについても「イスラム嫌悪」「帝国主義的」と非難しています。
今回そのブレシース氏が、「The New Arab」誌のインタビューに応じ、英・イスラエルメディアによるパレスチナ人虐殺の正当化の手法について語りました。その一部をご紹介します。
ーイスラエルメディアはヘイトを煽るのにどれくらい影響を有していたか?
イスラエルメディアはガザ市民を人間として扱っていない。彼らはガザ市民の苦しみを映そうとしない。ガザで起きている犯罪を公然と無視する。彼らが報じるのは、イスラエル兵の英雄的な姿だ。イスラエル兵を戦争の犠牲者として描く。イスラエルメディアは、空爆の様子や兵士らを称えて報道するが、彼らがパレスチナ人に何をしているかは一切報じない。
ーハマスを非難する一方で、イスラエルによるジェノサイドを非難しない英メディアの姿勢をどう見るか?
私が思うに、英メディアはきわめてイスラム嫌悪で帝国主義的、そして盲目である。英メディアはすべてイスラエルのロビー団体だ。彼らは、イスラエルの嘘の主張を拡散し、パレスチナ人に対するヘイトを煽った。その嘘とは、ハマスがイスラエルの赤ちゃんの首をはねたり、集団レイプをしたり、生きたまま焼き殺したりしたというものだ。
これには続きがある。英メディアは、これらの嘘が判明すると、いとも簡単に無視するか、ひっそりと削除するのだ。ハマスに反論の機会が与えられることはなく、ガザで外国人記者の取材が一切許されない中で、英メディアはひたすらイスラエルの嘘を流し続けた。そして、イスラエルによるジェノサイドを自衛権の範囲内だと喧伝した。
イギリスは1917年からシオニズムを持ち札として遊んでいる。英政府は、戦争犯罪を犯す政府への武器供与は違法であると知りながら、ますます多くの武器をイスラエルに提供している。
ーイスラエルの主張する「自衛権」についてどう思うか?
まず理解しなければいけないのは、戦争は昨年10月7日に始まったのではないということだ。125年前から始まっている。その目的は常にパレスチナの征服だった。シオニズムの生みの親であるテオドール・ヘルツルは、1890年代にすでにパレスチナ住民の追放のため、ジェノサイドの思想を披歴していた。1948年には、パレスチナのある村の住民を虐殺し、他の村の住民の恐怖心を煽って逃げ出すよう仕向けた(注:デイル・ヤシーン事件)。現在ガザで起きていることは、ヘルツルの思想を拡大したものである。しかし、今は我々すべてが目撃者である。たとえ無力だと思われようとも、証言者を集め、将来イスラエルを訴追するために重要な役割を担っている。かつてナチスに対してなされたように。