May 15, 2024 16:20 Asia/Tokyo
  • レバノン系アルゼンチン人の家庭に生まれ、イラン・ゴムでイスラム神学を学んだソヘイル・アスアド(Soheil Asaad)氏
    レバノン系アルゼンチン人の家庭に生まれ、イラン・ゴムでイスラム神学を学んだソヘイル・アスアド(Soheil Asaad)氏

レバノン系アルゼンチン人の家庭に生まれ、イラン・ゴムでイスラム神学を学んだソヘイル・アスアド(Soheil Asaad)氏は、アメリカが世界に発する事実とは違うイメージについて触れ、「私はラテンアメリカのアルゼンチンで育ったが、ハリウッドは私たちのイメージをとても否定的に見せていた」と述べました。

アルゼンチン生まれのイスラム教徒であるソヘイル・アスアド氏の回想録『マラドーナの故郷に生まれて』の出版記念式は、今月9日にテヘラン国際ブックフェアのイスラム革命出版社協会ブースで行われました。

 

この本の語り手であるアスアド氏は、次のように述べました。

「私たちの人生は、自分たちにとってはごく当たり前で、特に魅力的でもない。しかしその中には、外に発信すべき点が一つ二つあった。そのうちのひとつは、すべての人の心に、誰もが人生の中で変われるという望みがあるべきということだ。読者には、この本が人間の変化の物語であることに注目してほしい。もうひとつは、私たちの人生の話を聞くことが、世界への見方を変えうるということだ」

 

また、アメリカが世界に発する事実とは違うイメージについても、次のように述べました。

「私は子ども時代を、ラテンアメリカのアルゼンチンで過ごしたが、ハリウッドが私たちについて見せていたイメージは、非常に否定的だった。ハリウッドは(アメリカの)地理を、米国、そしてラテンおよび南部の2つに分けていた。そして私たちも、米国が基本の存在であり、自分たちが(後になって)そこに加わったのだと信じこんでいた。しかし、成長するにつれて分かったのは、真実とは違う事柄を作り出して真実に変えてしまう力を、メディアや映画が持っていることだった」

さらに、次のように続けました。

 

「私は、シリア、イラク、レバノンを見てきたが、(イスラム神学を学ぶのに)イランのゴムを選んだ。そして、米国人がいかに様々な美しさを見る機会を奪われているかを、そしてその理由が、彼らの心が盲目なためであることを理解した。この本は、外側のみを見るのではなく、(内側にある)真実に目を向けるよう呼びかけている」

そして最後に、次のように述べました。

 

「私たちの人生には、決してメディアや書物の中に出てこない、苦い部分が存在する。それは、誰にも名を知られることのない人々に関する部分だが、それにもかかわらず、彼らは私たちの人生の物語において最も献身的な行動を取った人々だっただろう。たとえば、この本では私の家族の美しい話が語られているが、4人の子どもの親として30年間、1年うちの半分を(出稼ぎのために)単身異郷で過ごした母の献身については、その中では触れられていない。それは一番重要な部分であるにもかかわらず、だ。物語の裏に隠れている、私たちより価値ある行いをしながら誰にも知られずにいるこのような人々は、その本当の主人公と言えるだろう」 愛を通してイスラム教を広める

 

アスアド氏の話をまとめて本の形にした著者のメフリー・アル・サアーダート・マアレクネジャード氏は、この出版記念式で次のように述べました。

「私はアスアド氏の人生を、3つの視点から記した。文中では、この3つの軸をはっきりさせたかった。1つ目の視点は、私たちがいつも聞かされてきた『宗教は愛に他ならない』だ。彼らの人生を見ていくと、彼らが愛によって人々を宗教に惹きつけ、イスラム教を広めていることが分かる。2つ目の視点は、アスアド氏と(シーア派8代目イマーム・レザーの妹)ハズラテ・マアスーメの関係だ。私は、彼の人生のどこかで導きの光が射していたとしたら、それはハズラテ・マアスーメの存在から届いたものだと感じた。だからこそ私は、彼と一緒にこの本を執筆した。ハズラテ・マアスーメの生誕日前夜に『マラドーナの故郷に生まれて』を発表できたことを、私は嬉しく思う。3つ目の視点は、シーア派の教えを(各地で)広めているアスアド氏の勇敢さだ」

 

引用元:メフル通信

 

 


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