米医師、「ガザの現実は公開された映像より数百倍ひどい」
非営利の国際医療・人道援助団体「国境なき医師団」(MSF)の一員としてガザで活動していたアメリカ人医師が、「ガザで起きている現実は、これまでに公開された映像よりもさらも悲惨なものだ」と述べました。
パールストゥデイによりますと、ガザ地区のパレスチナ政府広報局の最近の発表に基づけば、同地区ではシオニスト政権イスラエルによりこれまでに計3524件の犯罪が発生し、1万6589人の子どもが殉教していますが、その中には、ガザ戦争勃発後に生まれて戦火の中で殉教した乳児115人も含まれています。
これに関連して、MSFの一員としてガザで活動し最近帰国したアラブ系アメリカ人医師、アフマド・オベイド氏はビデオメッセージで、「あなた方は、SNSやカタール衛星通信アルジャジーラなどのTV、あるいはライブストリーミングの映像を見たことがあるかもしれない。しかしガザの現実は、そのような画面越しで見るものをはるかに超えている」と述べました。
続けて、「あなた方は画面上で映像を見ているが、知性は時に欺瞞的に作用し、『彼らは(ガザでの映像を準備するのに)最大の被害を受けた地域に集中している』もしくは『最悪の事態を映像にすることが彼らの仕事だ』と囁きかける可能性がある」と指摘しました。
そして、「何にしても私は、TVやSNS上でひどく見える映像・画像が公開されていたとはいえ、現実がその数百倍も悲惨なものだとは思わず、とてもショックを受けた。そして人々は私に、ガザで目にした最も恐ろしい場面について質問している」としました。
一方、MSFも発表で、イスラエル政権が4日間にわたりパレスチナ・ヨルダン川西岸ジェニンへ行った攻撃の規模と激しさを非常に憂慮すべきものだとし、「イスラエル軍が医療施設へのアクセスを遮断し救急車を攻撃していることから、人々がすぐに治療を受けられなくなっている」としています。