英は最終的に自らの植民地への賠償責任を受け入れるか?
イギリスは、自身を人権という価値観の擁護者とするならば、それと同時に、奴隷貿易と植民地時代の犯罪に対する歴史的責任の受容を回避することができなくなります。
来月に開催予定の今度の英連邦首脳会議は、古くからの問いが再び提示される機会になると思われます。その問いとは、「イギリスは旧宗主国として、歴史的犯罪、特に奴隷貿易に対する責任を受け入れ、賠償金を支払うべきか」というものです。パールストゥデイによりますと、この問題は今、以前にもまして重要なものとなっています。その理由は、そのほとんどが旧英国植民地である英連邦の構成国が、今度の会議を前に英政府に対し、この点に関して真剣な行動を取るよう強く求めているからです。
賠償への支持の増大
次の英連邦事務総長の候補となっている3人は、いずれもアフリカ諸国出身ですが、彼らは最近、英首都ロンドンでの行事で公然と賠償支持を表明しました。その一人であるガーナのボチュウェイ外相は「賠償にはさまざまな形があり、単に金銭的な補填に限定されない」と強調するとともに「金銭的補填は良いことだが、現在では非金銭的補償にも話題が移りつつある」と語りました。
ここで問題となるのは、イギリスはなぜ賠償を拒否する前に、少なくともこの対話に参加できないのか、英連邦における立場を利用して意味ある議論を進めることはできないのだろうか、ということです。
英連邦首長であるチャールズ国王は前回の会議で、奴隷貿易に対する自らの深い悲しみを表明しましたが、英国は未だに、いかなる形の賠償も正式に受け入れていません。そこから、イギリスは謝罪だけでよしとするのか、それとも、自国の歴史を批判的に見つめて修復を伴う正義への一歩を踏み出す用意があるのか、という疑問が浮上しています。
ロンドン大学コモンウェルス研究所のキングスリー・アボット所長は、賠償を求める世界的な運動の高まりを指摘し、奴隷制度とそれが引き起こした損害はもはや否定できないと強調していますが、イギリスは果たして、今後も従来の立場を取り続けるのでしょうか?それともこの機会を、金銭的補填だけでなく世界的な対話を主導するために活かすのでしょうか?
リシ・スナク前英首相は2023年、「我が国の歴史を再点検するような試みは、正しい解決策ではない」と主張していました。しかしこのような発言は、責任逃れに過ぎないのではないでしょうか?特にそれが今なお数百万もの人々の生活に影響を与え続けている場合、なぜ歴史を「未解決の問題」として受けとめなければならないのでしょうか?
イギリスは、自身を人権という価値観の擁護者とするならば、それと同時に、奴隷貿易と植民地時代の犯罪に対する歴史的責任の受容を回避することができなくなります。そしてアボット所長が指摘しているように、賠償は意味のある謝罪、公的な認知、記念碑の設置などのさまざまな形が考えられます。
英連邦首脳会議が近づくにつれ、イギリスに対する圧力は強まる一方と思われますが、大事なのは、イギリスが自らの歴史的責任を受け入れることです。イギリスは、英連邦の各構成国を平等に扱い、過去の過ちを否定せず、それを償うために積極的な役割を果たせるでしょうか?
今度の会議はイギリスにとって、自らが過去を受け入れてより公正な未来を目指し努力できることを証明する絶好の機会ですが、果たして同国がこの機会を逃すことになるのか、それとも正義を求める声の高まりに最終的に応えることになるのか、この先の動向を見守っていく必要があると言えるでしょう。