危機に包まれたエリゼ宮;政治・経済的崩壊の瀬戸際のフランス
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マクロン・フランス現政権が、国民の不信と議会内の不協和音により前代未聞の危機に立たされています。フランスの政治的将来は不透明かつ暗雲が立ち込め、現在の「第5共和制」の終焉の可能性さえ浮上しています。
(last modified 2025-09-10T16:02:39+00:00 )
9月 08, 2025 12:27 Asia/Tokyo
  • フランスのエマニュエル・マクロン大統領
    フランスのエマニュエル・マクロン大統領

マクロン・フランス現政権が、国民の不信と議会内の不協和音により前代未聞の危機に立たされています。フランスの政治的将来は不透明かつ暗雲が立ち込め、現在の「第5共和制」の終焉の可能性さえ浮上しています。

今後予想されるエマニュエル・マクロン現大統領の決断は、深刻な政治・経済危機の下での「毒杯」に例えられ、アナリストらはフランスの未来が暗澹たるものになると予測しています。

【ParsToday国際】フランソワ・バイルー現仏首相は、就任から1年も経たないうちに失脚の危機に瀕する4人目の首相となっています。バイルー首相の運命は、議会での信任投票および、歳出制限と2つの公休日の廃止を含む440億ドルの予算案にかかっています。

この危機は、緊縮財政改革によってわずか3ヶ月で退陣となったミシェル・バルニエ前首相の失策の二の舞だと言えます。政情不安と時を同じくしてフランスの債務は急増し、10年国債の利回りはスペインやポルトガルを上回り、イタリアに迫る水準となっています。

この危機の元凶は、2024年の早期選挙でマクロン氏主導の与党が議席を失い、極右と極左が圧勝したことにあります。マクロン氏が左派の首相候補を拒否したことで、議会は分裂しました。バイルー現首相が敗北した場合、マクロン氏は任期全うを公約していながら、辞任要求への風当たりが強まると見られます。暫定政権の樹立や新閣僚の任命といった選択肢も提起されているものの、右派・左派野党は不信任投票実施の用意があります。

世論調査によれば、新たな選挙が行われた場合、極右政党であるRN国民連合がリードする見通しです。政治家に対する国民の信頼は急落しているにもかかわらず、多くのアナリストは2027年の大統領選挙までに極右が政権を掌握すると予測しています。

アナリストらは、ウクライナ戦争と西アジア危機による現在の情勢不安が、プーチン・ロシア大統領とトランプ米大統領に有利に働く可能性があると警告しています。特に、フランスの政治学者ドミニク・モイジ(Dominique Moïsi)氏は、現在の状況を「第五共和政の最大の袋小路」だとし、誰も想像できない体制への移行段階だと表現しています。
 

 


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