成果なく終わったマクロン仏大統領の訪中
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フランスのマクロン大統領の中国訪問は、国際社会におけるフランスの役割を再定義する重要な契機となるはずでしたが、訪問は何の成果もなく、むしろフランス外交の弱体化を一層明らかにする結果となりました。
(last modified 2025-12-09T07:55:14+00:00 )
12月 07, 2025 16:42 Asia/Tokyo
  • 成果なく終わったマクロン仏大統領の訪中
    成果なく終わったマクロン仏大統領の訪中

フランスのマクロン大統領の中国訪問は、国際社会におけるフランスの役割を再定義する重要な契機となるはずでしたが、訪問は何の成果もなく、むしろフランス外交の弱体化を一層明らかにする結果となりました。

【ParsToday国際】マクロン大統領は、就任した2017年以降で4度目となった中国訪問を5日に終えました。この訪問は、国内で支持率低下に直面しているマクロン大統領が、外交的なイニシアティブを発揮することで求心力を回復しようとする試みの一環でした。

しかし、中国側の冷たい歓迎とフランスの要求への無視の仕方は、この訪問がチャンスであるどころか、フランスの地政学的影響力の低下を示すこととなりました。

今回のマクロン氏訪問で、中国は形こそは国賓として招いたものの、その歓迎ぶりは最低限のものに留まりました。空港における出迎えは王毅外相のみ、そして正式な歓迎式典における習近平国家主席の不在は、フランスがもはや中国の外交政策の優先事項ではないことを明確に示すメッセージとなりました。

この対応は、力のバランスの変化と、フランスの世界的な役割の低下を象徴するものでした。マクロン大統領は、貿易不均衡の是正と、ウクライナ戦争の終結に向けて中国が積極的な役割を果たすよう促すという2つの具体的な要求を持って訪中しました。

しかし、中国はロシアとの戦略的関係を重要視しており、貿易問題に関しては「欧州が技術力を失った結果」として取り合わず、ウクライナ問題についても協力を約束しませんでした。

中国は、マクロン氏の国内支持基盤の弱さとフランスの圧力手段の欠如を十分に認識しており、そのためこの訪問は目立った成果を挙げることなく終わったのです。

この失敗は、フランスにとって「前進外交」だけでは、もはや過去のような効果を発揮しないことを再確認させる結果となりました。マクロン大統領はこの訪問を通じて国際的な信用を回復しようとしましたが、実際にはフランスの世界的影響力の低下という現実に直面しました。

フランスが自らの地位を取り戻すためには、外交戦略を見直し、より実践的なアプローチで中国やロシアといった大国に対して有効な交渉の手段を確立しなければなりません。そうしなければ、フランスの国際的役割の衰退は続くことになるでしょう。

 


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