世界の経済成長の予想の引き下げ
IMF国際通貨基金が、今年以降の世界の経済成長に関する予想を引き下げました。
ディーンヤーリヤーン解説員
IMFは「イギリスのEU離脱の決定は、消費者や市場の信用失墜の状況の改善に問題を生じさせ、今年以降の世界の経済成長に関する見通しを引き下げた」と報告しました。
この報告では、「イギリスのEU 離脱の決定は、経済、政治、法の問題の大きな増加を意味し、特にヨーロッパの先進経済にマイナスの結果をもたらすだろう」とされています。
この報告では、イギリスとヨーロッパの経済はイギリスの6月23日の国民投票から大きな打撃を受けているとされています。この報告に基づき、今年の世界の経済成長率は3.1%、来年は3.4%になるだろうということです。
IMFは、報告の中で、今年のユーロ圏の経済成長に関して、0.1%からプラスの1.6%に達する見込みだが、来年は0.2%減少し、1.4%になるとしています。
IMFの報告が提示された一方で、イギリスは今もEU離脱に向け協議を開始していません。これ以前にも、この機関はイギリスがEUから離脱すれば、世界の経済成長は低下すると警告を発していました。
政治状況の混乱、イギリスとEU加盟国の政治・経済関係の先行きが不透明であることが、経済的な緊張とその市場への影響が拡大している最大の理由です。
一部の専門家は、イギリスとヨーロッパの同盟国が、経済や関税の問題の拡大と問題の解決、協力方法に関して合意しなければ、経済状況は悪化するだろうと考えています。
イギリスの問題に加えて、ヨーロッパの難民問題、それから生じる緊張の一方で、テロ活動の拡大とそれから生じる脅威、とくにフランスのテロ事件もまた、これらの国の状況を困難にしています。
現在EUの多くの国が多くの経済問題に直面しています。報告によれば、イタリア、スペイン、ギリシャは現在、経済問題や失業、インフレの問題に直面しています。ギリシャなどの一部の国の緊縮政策の実施は、国民の不満と経済問題を拡大しています。
一方で、IMFのアフリカに関する予測も経済成長の停滞を物語っています。
専門家の多くが、一部のアフリカ諸国の経済発展を世界の経済成長や状況の回復を促すものだとしていたにもかかわらず、テログループの活動の拡大、地域での暴力や戦争の増加、気候変動、旱魃といった問題のほか、原油価格の下落、ナイジェリアなどの産油国の収入減少が、アフリカを失業や貧困の問題や経済成長の低下に直面させています。
こうした中、世界経済は、失業や貧困の減少と、生活レベルの向上をもたらす成長や発展のために、何よりも世界の治安と平和の確立、世界平和に向けた国際的な協力の拡大を必要としているようです。